小型無線線量計には,感度の方向依存性がなるべく小さい検出器素子が必要である.本研究では,球形太陽電池素子と,フォトダイオード素子を背中合わせに接着して周りを研磨した検出器について検討を行い,後者が適していることが判明した.この検出器の出力の直線性,感度の線量率依存性,感度のエネルギー依存性について調べた結果,いずれも良好な結果が得られた.この検出器を,小型の電流電圧変換回路を介して小型無線アナログデジタル変換器に接続して,線量計ユニットを構成した.使用において,線量計ユニット本体にもX線が入射するが,この影響は,極めて小さかった.電子回路をさらに小型化して,カプセル化も可能であると考えられた.
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