研究課題/領域番号 |
17K09065
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
金澤 裕樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (80714013)
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研究分担者 |
宮地 利明 金沢大学, 保健学系, 教授 (80324086)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CEST効果 / APT / 定量評価 / MT効果 / NOE / B1 / B0 / タンパク質 |
研究実績の概要 |
本研究は,アテローム硬化症に伴う血管壁プラークの発生機序と組織学的性状を解明するために,核磁気共鳴画像(MRI)診断装置を使用して,生体内の血管壁プラーク内の組成の定量化および可視化を目的とする.平成30年度は,MT効果・CESTイメージングデータの数理手法を用いた定量解析法の開発および可視化を中心に,研究代表者の所属施設にあるMRI装置を用いて実施した. MT効果・CESTイメージングデータの数理手法を用いた定量解析法の開発および可視化の研究については,まず,CEST効果を定量的に評価するファントムを作成した.タンパク質の溶媒として卵白由来のアルブミンを使用して,ファントムを作成した.ファントムは,格子領域と,サンプル領域の2つのセクションを構成した.まず,格子領域は,局所のオフセット周波数を計測するための目的として想定した.異なるパルスシーケンスや撮像条件で撮像した画像を比較する際に画像の歪みや局所オフセット不均一が問題となるので,格子の位置を基準とすることで,視覚的に同じ位置での比較が可能となる.ここで,格子は,プラスチック板を用いて作成した.次に,サンプル領域は,主としてB1強度によるCEST効果を評価するための目的として想定した.実験の結果,格子領域では,WASSR法による静磁場不均一補正を評価することができた.サンプル領域では,B1強度の増大に伴うZスペクトルおよびMTRasymの変化を評価することができた.次に,MT効果・CESTイメージングデータの数理手法を用いた定量解析法のプログラムは,B0補正を行った後,その後マルチプールモデルを使用して,CEST効果・MT効果・NOEを分離しそれぞれ可視化することに成功した.このプログラムを用いて,B1強度に依存して,APT効果が高くなり,NOEが低くなることも実証した. 以上を検討しながら,生体内の血管壁プラークの定量評価の準備を整えた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
血管壁プラーク内のダイナミックな変化を可視化するために,CEST効果を定量評価するファントムを開発し,定量評価を行うプログラムやMRIのパルスシーケンスの検討を行った.その結果,局所領域の静磁場不均一性を評価することができ,B1強度の増大に伴うZスペクトルおよびMTRasymの変化を定量的に評価することができた.さらに,マルチプールモデルを使用して,CEST効果・MT効果・NOEを分離しそれぞれ可視化することができた.一方,B1強度変化に伴うCEST効果・MT効果・NOEが異なってしまう問題があることが判明した.以上の一定の成果が出たため,概ね予定通りに進展したと考える.
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,B1強度変化に伴うCEST効果・MT効果・NOEが異なってしまう問題の克服のために,MT効果・CESTイメージングデータの数理手法を用いた定量解析法の開発および可視化についての研究を継続しながら,一定の成果を上げているため生体内の血管壁プラークの定量評価を開始する予定である.継続研究は,平成30年度に作成したCEST評価ファントムをキャリブレーションに使用して,B1強度により変化するCEST効果・MT効果・NOEを補正するプログラムを開発し実証する予定である.また,生体内の血管壁プラークの定量評価は,徳島大学病院倫理委員会の承認を得られれば検討を開始する.そして,得られた研究成果を社会に向けて広く発信するために,国内学会および国際会議を中心とした成果発表,英文誌への論文投稿での成果報告を行うつもりである.
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