研究課題/領域番号 |
17K09070
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
寺本 篤司 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (00513780)
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研究分担者 |
塚本 徹哉 藤田医科大学, 医学部, 教授 (00236861)
今泉 和良 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50362257)
外山 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90247643)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | PET/CT / 病理画像 / 自動分類 / 肺癌 |
研究実績の概要 |
(1)症例の追加:前年度までに収集した症例数が十分でないため、新たに76症例の病理標本について画像収集を行った。 (2)深層学習による特徴量算出手法の開発:深層学習(ディープラーニング)法として、脳の認知プロセスにヒントを得て開発され、画像認識処理にて良好な識別精度を有する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に注目した。PET/CT画像については、2種類の3次元画像から結節付近の画像パターンを切り出し、CNNに入力するようにした。病理画像については、細胞診および組織診のために顕微鏡で撮影されたカラー画像をCNNに入力した。そして、CNNの中間層では画像の特徴が抽出・圧縮された状態となっているため、CNNの中間層の数値を取り出し、特徴量とした。それらを機械学習法のひとつであるSupport Vector Machineによって悪性度を予測する方法を開発した。 (3)統計的手法を用いた特徴量の統合による画像バイオマーカーの生成:診断モデルに基づく画像特徴量と深層学習により得た画像特徴量を、統計的手法のひとつである主成分分析により解析し、情報の主成分となる数値群を画像バイオマーカーとして出力した。ここで、画像バイオマーカーは鑑別診断、確定診断でそれぞれ利用できる画像情報が異なるため、PET/CT画像と病理画像の特徴量は独立して算出した。 (4)妥当性評価:構築した画像データベースを用いて、画像バイオマーカー値と疾患との関連性を調査した。さらに、画像バイオマーカーを医師が利用した場合と利用しない場合の診断精度をROC解析により評価し、本手法の有効性を確認した。その結果、本研究で抽出した特徴量を組み合わせたほうが全体的に高い性能を示すことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究に必要な症例もほぼ収集が完了し、当初の目的であった肺癌に関する画像バイオマーカーを算出するための基礎的な検討は完了した。深層学習(ディープラーニング)法として、脳の認知プロセスにヒントを得て開発され、画像認識処理にて良好な識別精度を有する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いてPET/CTならびに病理画像から画像バイオマーカーを算出し、識別したところ良好な肺癌分類性能が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、肺癌に関するさらに良質な画像バイオマーカーを開発するため、3次元画像情報を深層学習法で直接処理し、画像の3次元的な形状特徴量を算出できるよう、改良を行う。また、研究成果をとりまとめ、論文発表や国際学会発表などを行なって、成果を公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった機器の値下がりなどがあり物品費が少なくなりました。また、データ解析を研究代表者・分担研究者のみで実施したため、謝金が生じませんでした。
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