研究課題
2021年度も,引き続き前年度までに見いだされた有望な素材(ポリビニルアルコール-ヨウ素錯体)を用いた3次元色素ゲル線量計の最適化と改良,および光学CTの開発改良を行ってきた.本系の基本組成は部分ケン化型ポリビニルアルコール(PVA)とヨウ化カリウム(KI),還元剤としてフルクトースを含み,線量感度・線量率非依存性・加算性・空間安定性・再利用性などの点において,多くの優れた特性を示す.本年度は化学架橋によりゲル化したPVAをマトリクスとしたPVA-GTA-Iゲルの自動酸化(バックグラウンドの増加)を抑制するためにこれまではスクロースを用いていたが,これを本来の組成に含まれるフルクトースを最適化することによる効果を調べた.また,前年度より行っていた,水の放射線分解によって生成する溶媒和電子によるヨウ素ラジカルの再結合を防ぐために電子捕捉剤を用いた系とも組合せてその効果を検証した.これらの結果は国内外の学会にて報告予定であったが,コロナ禍による中止や延期を受けて,その一部のみ,オンライン開催された学会で報告した.一方,光学CTの開発は,ゲルマトリクス改良(PVA-GTA-I)により大幅な透明度は改善できたものの,これまでに引き続きやや難航している.初年度からの定量的読み取りに関する問題点を改善するため,昨年度も継続してゲル線量計の容器によるプローブ光の散乱や屈折の問題などの問題点の洗い出しを中心に行ってきた.また,2次元での応用や、位置検出器としての利用も試み、治療計画との比較のためのソフトウェアの開発を行った.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 5件) 備考 (1件)
Journal of Physics: Conference Series
巻: 2167 ページ: 012014~012014
10.1088/1742-6596/2167/1/012014
巻: 2167 ページ: 012006~012006
10.1088/1742-6596/2167/1/012006
巻: 2167 ページ: 012032~012032
10.1088/1742-6596/2167/1/012032
Physics in Medicine & Biology
巻: 66 ページ: 205001~205001
10.1088/1361-6560/ac279d
http://www.hirokoku-u.net/hr/dosgel/index-j.html