研究課題/領域番号 |
17K09075
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
水野 秀之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院, 主幹研究員(定常) (70421823)
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研究分担者 |
福村 明史 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 企画部, 次長(定常) (20208979)
福田 茂一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院, 技術統括(定常) (20359235)
小原 哲 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高度被ばく医療センター 計測・線量評価部, 研究員(任非) (40623640)
深堀 麻衣 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院, 技術員(任常) (80622282) [辞退]
中路 拓 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院, 技術員(任常) (00838625)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 医学物理(学) |
研究実績の概要 |
前年度はオールインファントムを用いて国内1施設、国外1施設について訪問により試験的に測定を行い良好な結果を得ることができたが、両施設は検証を行った自施設と同じメーカーのアプリケータ・治療装置・治療計画装置を用いていたことより想定通りにEnd to endのプロセス(ファントム設置・CT撮影・治療計画・照射までの患者と同じフロー)を遂行できた。これが他社のメーカーの装置を使用した場合でも同様にできるかを検証する必要があった。令和元年度は、2か国(中国、フィリピン)の計4施設に対して訪問測定を行った。中国1施設は自施設と同じメーカー製であったが、フィリピン3施設についてはすべて異なるメーカー製(2社、装置3種類)のものであり、さらにそのうちの1施設はこれまでと線源が異なり192Irでなく60Coを使用したものであり、本手法が線源が変わっても適用できるかの検証として行われた。結果として、全施設においてEnd to endのプロセスはほぼ問題なく遂行できた。ただし、アプリケータ形状が異なることにより、使用したファントムの体軸方向の長さが短く、アプリケータホルダーを底上げして設置する必要があった。この結果を受けて、膀胱に相当する位置に設置したRGD線量計の出力が治療計画の計算値よりも10%前後小さな値となった。これはRGDの水面までの距離が短くなったことにより散乱線としてRGDに入射する線量が減ったことと考えられた。これについてモンテカルロシミュレーションを簡易的におこない、その影響が数%は少なくともあることがわかり、これを考慮すれば、結果として8%以内にその差は収まる見通しが立った。オールインファントムの作成およびそれを用いた検証結果については、国内学会で4回、国際学会で1回発表を行い、またアジア地域における国際多施設臨床研究グループの会合において各国の代表に対して報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り外国の施設に対する調査を実施できた。ただし、年度末までに更に数か国の訪問調査を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で渡航制限となり、それ以上の訪問調査の遂行が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの訪問調査結果をまとめて国際学会等で発表する予定であるが、新型コロナウイルスの影響により学術大会が軒並み中止等になっている状況である。また、同様に追加の訪問調査も予定していたが渡航制限により遂行できていない。影響の収束を待ち、学会発表や訪問調査を再開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により渡航制限となり、以後の訪問調査遂行が困難となったため、次年度に遂行する予定である。また、国内・国際学会における発表も同様に見合わせている状況であるが、影響の収束を待って演題登録等行う予定である。
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