ダイナミック造影MRIを用いた腫瘍の血行動態の定量評価では、薬物動態解析の煩雑な計算が必要で定量精度も低く、実用的な解析法は確立されていない。そこで本研究では、従来の血液入力関数の代わりに筋肉を参照領域として用いる参照領域法を提案し、シミュレーションにより従来法より高い精度で血行動態パラメータが定量できることを示した。また、クラスタリング技術を用いることで、参照領域を自動的に抽出することもできた。これらの解析を汎用PC上で簡単な画面の操作によって行えるソフトウェアを開発し、前立腺腫瘍の造影MRIデータに応用したところ、腫瘍部位での血行動態の上昇を視覚的・定量的に評価することができた。
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