研究課題
本研究は、平成21年から平成26年度に愛媛県主要基幹病院で約1,100人の2型糖尿病患者に対して実施した睡眠呼吸障害・大血管障害・細小血管障害などに関する横断的解析に基づき、再度本研究に登録されている2型糖尿病患者に対して再調査を実施し、生活習慣や治療介入の結果が合併症やその予後に与えた影響を明らかにすることを目的とする。本研究の特徴は睡眠呼吸障害のスクリーニングを実施している点、糖尿病学会専門医による詳細な合併症評価、疫学研究で行われる詳細な生活習慣の調査を実施済みである点である。多くの交絡因子を調整し、睡眠呼吸障害、さまざまな生活習慣、臨床データが合併症発症、抑制、悪化への影響を評価することが可能で、新たなエビデンスの構築を行う。わが国の糖尿病による動脈硬化や合併症に関する大規模多施設研究ではJDCP (Japan Diabetea Complication and its Prevention prospective)study、JDCS(Japan Diabetes Complications Study)が現在進行中である。しかし、糖尿病患者を対象とした多施設共同研究のなかでも、ベースラインデータに睡眠呼吸障害・うつ症状・勃起不全・下部尿路症状の重症度を含めた研究は本研究のみである。睡眠呼吸障害が糖尿病の合併症や予後に与える因果関係を明らかにすることができる。加えてベースラインで明らかにした糖尿病腎症との関連因子であった潜在甲状腺機能低下症、Lp(a)と糖尿病腎症のリスクファクターとしての意義、生活の質の関連する夜間頻尿、勃起不全、尿意切迫感と2型糖尿病の合併症の発症や予後との関連を明らかにすることが可能である。
3: やや遅れている
1100名のうち300名以上の追跡調査が完了しているが、当初の予定よりもやや遅れている。大学病院以外での追跡調査の準備がまだ整っていない施設も存在する。
各施設での追跡調査のための研究補助員も確保できており、期間内に目標症例数の追跡及び追加を行う予定である。
本研究に遂行に必要な研究補助員の雇用などが遅れたため、次年度使用金額の変更をした。次年度については当初の使用予定内容の通り、調査票の印刷や入力等の費用や調査のための研究補助員の雇用等のために使用し、本研究の遂行にあたる予定としている。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Can J Daibetes
巻: 42 ページ: 308-3012
10.1016/j.jcjd.2017.07.007