研究課題/領域番号 |
17K09096
|
研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
片山 惠子 安田女子大学, 看護学部, 教授 (50304415)
|
研究分担者 |
田中 純子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (70155266)
大久 真幸 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (20727250)
杉山 文 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (50778280)
秋田 智之 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (80609925) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 血液透析患者集団 / 肝炎ウイルス感染 / 生命予後 / 転帰調査 / 血清疫学調査 / HBs抗原陽性率 / HCV抗体陽性率 |
研究実績の概要 |
1999年から最大17年余の追跡を行ってきた血液透析患者集団を対象とした肝炎ウイルス感染状況を明らかにすること、同コホートにおける肝炎ウイルス感染や肝病態と生命予後の関連について明らかにすることを目的として、転帰調査と採血調査を実施し、本年度は、肝炎ウイルス感染についての血清疫学解析および転帰調査データについて集計解析を行っている。 本コホートの生命予後調査の対象者3,096名を調査エントリー時期別に分け、転帰の比較を行ったところ、2010年以前のエントリー群の転帰の内訳は、死亡61.5%、転院24.5%、通院中13.9%であった。一方、2011年以降エントリー群では死亡37.0%、転院12.9%、通院中48.7%であった。死因は、両群間ともに、感染症、心不全、脳血管疾患による死亡が上位を占めており、HCC以外の悪性腫瘍は6~7%であった。肝細胞癌あるいは肝硬変/肝不全による死亡は、全死因の1~2%と低い割合であった。肝炎ウイルス感染に起因した肝細胞癌による死亡のうち、2010年以前エントリー群においては、52.9%(9/17例)、肝硬変では66.7%(22/33例)であった。死因別及び肝炎ウイルス感染状況別に予後解析を行う予定である。 肝炎ウイルス感染状況をみると、2010年以前のエントリー群のHCV抗体陽性率17.59%、2011年以降エントリー群8.24%であった(p<0.0001)、HCV RNA陽性率は、2010年以前のエントリー群13.96%、2011年以降エントリー群6.89%であった(p<0.0001)。次年度は遺伝子解析を引き続き実施し、肝病態・予後との関連を解析していく予定である。 肝炎ウイルス感染のハイリスク集団である血液透析患者の生命予後に、肝炎ウイルス感染が影響を及ぼしているのか、さらに生命予後に関連している要因は何かについて明らかにすることをめざし、長期追跡をしているコホートのデータを解析する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
転帰調査のデータの集計・解析及び採血調査から得られた検体についての肝炎ウイルスマーカーの測定を終了し、さらに遺伝子解析を進行中であり、ほぼ計画通りに進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
1)採血検体についてHCV RNA陽性検体について、遺伝子解析を行う。 2)同コホート集団における調査エントリー時期別にみたHCV感染率や遺伝子型の分類の比較を行う。 3)転帰調査データの解析を行い、HCV感染の有無と予後の関連や生命予後に関わる要因についての分析を行う。 4)調査協力機関との検討会を実施し、調査結果について討議する。
|