研究課題/領域番号 |
17K09099
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
徳田 糸代 弘前大学, 医学研究科, 助教 (90792391)
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研究分担者 |
中路 重之 弘前大学, 医学研究科, 特任教授 (10192220)
倉内 静香 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (60455730)
沢田 かほり 弘前大学, 医学研究科, 助教 (50624889)
相馬 優樹 弘前大学, 医学研究科, 助教 (60792372) [辞退]
村下 公一 弘前大学, COI研究推進機構, 教授 (80794601)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生活習慣病 / 腸内細菌叢 / 生活習慣 / 岩木健康増進プロジェクト |
研究実績の概要 |
メタボリックシンドロームを要因とする生活習慣病が急増し、わが国の死亡原因のおよそ7割を占めており、その対策が急務である。一方、近年の研究において腸内細菌叢が健康に与える影響が注目されている。しかし、腸内細菌叢全体の機能評価を行った研究はほとんどなく、腸内細菌叢と宿主の健康の関連メカニズムは明らかにされてこなかった。本研究では、研究期間である2017年から2019年にも岩木健康増進プロジェクト健診を実施し、毎年1,000名以上を対象に腸内細菌叢をはじめ動脈硬化関連項目のほかの測定、生活習慣の聞き取りなどを実施した。 最終年度となる2019年度は、これまで実施した岩木健康増進プロジェクト健診の結果から、腸内細菌叢と食生活習慣との関連について解析を行い、腸内細菌の一種ブラウティア菌が内臓脂肪面積と関係していることを発見し、論文発表を行った。ブラウティア菌は、今回の対象者でも全腸内細菌の3~11%程度を占めるなど、人種に関わらず腸内に多く存在する細菌であり、体内で肥満を解消するはたらきがある酪酸や酢酸をつくり出すほか、糖尿病、肝硬変、大腸がん、関節リウマチの患者で減少していることが報告されている。今後のさらなる検証によっては、ブラウティア菌がメタボリックシンドロームに関係する前述した疾患を改善する可能性や、肥満や糖尿病の新たな指標となる可能性も考えられる。 また、その他の菌についても解析を進めており、糖代謝や動脈硬化指標との関連が示唆されている。
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