研究課題/領域番号 |
17K09101
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 輝幸 秋田大学, 医学部, 講師 (30400493)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 難聴 / 認知機能 / 聴覚検査 |
研究実績の概要 |
現時点までに聴覚及び認知機能の正常者と聴覚障害があり認知機能正常者における精密検査機器による標準純音聴力検査と標準語音弁別検査、携帯型聴覚検査機器による検査、認知力検査の結果集計は終了している。聴覚正常で認知機能低下確定者の検査人数が不足していたため、聴覚障害があり認知機能低下者を新たな検査対象者として認知機能低下者の検査数を増加させて問題の改善を図っている。しかしながら、引き続き聴覚正常で認知機能低下確定者については精神科ともタイアップして人数の確保に努めていく。 携帯型聴覚検査機器による検査と精密検査機器による標準純音聴力検査の間にはその検査閾値において差異はなく、携帯型聴覚検査機器は少なくとも純音聴力検査として防音されていないオープンスペースにて使用可能なことは、示すことができた。補聴器が必要であるといわれる。500Hz,1000Hz,2000Hzの平均聴力閾値40dB以上の聴力を検査するためには、環境条件として環境音が50dB(A)以下であることが望ましいことが分かった。一般的な静寂環境は40dBa以下となっているため、特に問題にはならないが、体育館や集会場などでの集団検診時にいくらほどの環境雑音になっているかを測定する必要があり、今後の検討課題である。 実際の検査時には可能な限り家族に立ち会うようにしていただいた。難聴や認知機能低下は一見して他人からは認識できないため、家族ともに検査を受けることによって、家族が患者の難聴状態、認知機能の低下を把握でき、今後家族が患者にどのように接するのが良いかを認識できるという当初の研究計画から違った側面が発見された。 以上のことからも携帯型聴覚検査機器による聴覚検査の有用性が示唆されたと考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究計画において、3種類の携帯型聴覚検査機器を使用予定であったが、検討を重ねた結果、2種類の携帯型聴覚検査機器を使用することで十分なことが判明した。よって、以後は2種類の携帯型聴覚検査機器を使用することにした。これによって1人にかける検査時間の短縮につながった。 現時点までに聴覚及び認知機能の正常者と聴覚障害があり認知機能正常者における標準純音聴力検査、標準語音弁別検査、簡易聴覚機器検査、認知力検査の結果集計は終了している。聴覚正常で認知機能低下確定者の検査人数が不足していたため、聴覚障害があり認知機能低下者を新たな検査対象者として認知機能低下者の検査数を増加させて問題の改善を図っている。 携帯型聴覚機器検査と標準純音聴力検査の間にはその標準純音聴力検査閾値において差異はなく、簡易聴覚機器検査は少なくとも標準純音聴力検査として防音されていないオープンスペースにて使用可能なことが証明された。環境条件として、補聴器が必要であるといわれる。500Hz,1000Hz,2000Hzの平均聴力閾値40dB以上の聴力を検査するためには、環境音が50dB(A)以下であることが望ましいことが分かった。一般的な静寂環境は40dB(A)以下となっているため、特に問題にはならないが、体育館や集会場などでの集団検診時にいくらほどの環境雑音になっているかを測定する必要があり、今後の検討課題である。
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今後の研究の推進方策 |
今後とも聴覚正常で認知機能低下確定者の検査人数を精神科とタイアップしながら引き続きおこない必要な人数の確保に努める。 現時点では、言語検査の可能な限りすべての検査項目を施行している。これには、10種類の単語と認知機能検査の一つであるMini Mental State Examination(MMSE)日本語版の一部を利用している。難聴型と認識困難な単語や文章、特に、高齢者に多い高音漸傾型難聴者に間違えやすい単語の選択と、認知機能低下と認識困難な単語や文章については検討が不十分な点であるため、更なる検討を重ねる必要がある。 これらの結果に基づいて、高齢者居住施設へのフィールドワークを開始する予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は、本格的に高齢者居住施設へのフィールドワークを開始するため、携帯型聴覚検査機器の追加購入、また、その検査を施行するスタッフへの人件費、消耗品や移動費用への支出を予定している。本研究に対する情報収集のための国内外への学会出席も予定している。
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