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2017 年度 実施状況報告書

胆嚢がん発症要因としての胆汁中微生物のメタゲノム解析と感染履歴の検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K09103
研究機関新潟大学

研究代表者

土屋 康雄  新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60334679)

研究分担者 浅井 孝夫  新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (60612736)
生駒 俊和  北陸大学, 医療保健学部, 准教授 (60612744)
中村 和利  新潟大学, 医歯学系, 教授 (70207869)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード胆嚢がん / インド / メタゲノム解析 / 感染症
研究実績の概要

平成29年度の計画は、インド研究者との研究打ち合わせ後に研究用試料(胆汁及び血清)を採取することであった。
平成29年9月にサンジャイ・ガンジー医科学大学院(SGPGIMS)を訪問し、Prof. Kapoor、Dr. Mishraと打ち合わせを行った。内容は、試料の採取法、保存法、輸送法、実験法等である。
胆嚢がん患者と胆石症患者の各々100例からの血清(血漿)採取は、事前に29年4月に依頼しており、9月の訪問時には採取は完了していた。受け取った試料は、冷凍状態で日本へ搬入、新潟大学の-80℃のフリーザー中に保管した。胆汁採取は、現在、引き続き採取をお願いしている。当初は29年度中に採取が完了する予定であったが、胆嚢がん患者からの採取が予定数に達しておらず、30年度訪問時(12月を予定)に受け取り、日本に搬入することになっている。
29年度中に、胆嚢がん患者と胆石症患者各100例を対象として、ラテックス凝集法(LZ)法を用いてヘリコバクター ピロリ抗体価を測定した。インドにおけるこれまでの研究でヘリコバクター属菌感染と胆嚢がんの関係が報告されていることから両者の関係を調べた。平均抗体価は、胆嚢がん患者群で11.1 ± 11.6 U/mL、胆石症患者群で13.6 ± 23.0 U/mLであり、両群間には有意差は認められなかった。また10 U/mL以上の抗体価を感染陽性とした場合の感染率は、胆嚢がん患者群で41%、胆石症患者群で42%であり、両群間には有意差は認められなかった。これらの結果から、我々は、インド人においては、ヘリコバクター ピロリ感染は胆嚢がんの重要なリスク要因であるという証拠を得ることができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初30年度内の採取を予定していた胆嚢がん患者と胆石症患者からの血清(血漿)採取は29年度中に終了し、既に日本に持ち込み、フリーザー中に保管している。試料の一部を使い、ヘリコバクター ピロリ抗体価測定を行い、胆嚢がんとの関係を論文としてまとめた。投稿した論文は、現在、査読中である。一方、胆嚢がん患者からの胆汁採取は若干遅れている。これは、進行期で胆嚢がんと診断された患者の胆嚢中から胆汁を採取することが困難であることが原因となっている。しかし、30年12月にはその採取も終了し、胆石症患者の胆汁試料と合わせて受け取ることになっている。
30年度中には、入手した血清(血漿)試料を用いて、腸チフス、パラチフス感染履歴の確認をELISA法とウィダール反応を用いて実施する予定である。

今後の研究の推進方策

30年度には、29年度中に入手した血清もしくは血漿を用いて、腸チフス、パラチフス感染と胆嚢がん発症との関係をウィダール反応とELISA法を用いて実施する予定である。さらに、29年度中に測定が終了したヘリコバクター ピロリ抗体価、及び感染率と胆嚢がん発症との関係をProf. Kapoorが国際学会(13th World Congress of the International Hepato-Pancreato-Biliary Association, 30年9月4日~7日、スイス、ジュネーブ)において発表する予定である。また、これまでの研究で得られたインド胆嚢がんの発症要因(環境要因及び遺伝要因)に関する発表を30年11月30日から12月2日の間に開催されるインド国内学会(APCON2018、バレーリー市)で発表する準備をすすめている。
胆嚢がん患者からの胆汁試料採取は、30年11月までには終了し、12月のサンジャイ・ガンジー医科学大学院訪問時に受け取ることになっている。試料は凍結状態で日本に持ち込み、30年度内に胆汁中からDNA抽出を行い、メタゲノム解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

29年度中に支払う予定で雑誌論文投稿料を確保していた。校正作業が遅れたため支払いが30年2月末までに終了しなかったため次年度使用額となったが、30年3月末までに支払いを終えている。この結果、次年度使用額は約6,000円となり、胆汁中からのDNA抽出のためにマイクロピペット用チップやチューブ等の消耗品を購入する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] サンジャイ・ガンジー医科学大学院(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      サンジャイ・ガンジー医科学大学院
  • [雑誌論文] Metagenomics of Microbial Communities in Gallbladder Bile from Patients with Gallbladder Cancer or Cholelithiasis2018

    • 著者名/発表者名
      Yasuo Tsuchiya, Ernest Loza, Guido Villa-Gomez, Carlos C Trujillo, Sergio Baez, Takao Asai, Toshikazu Ikoma, Kazuo Endoh, Kazutoshi Nakamura
    • 雑誌名

      Asian Pacific Journal of Cancer Prevention

      巻: 19 (4) ページ: 961-967

    • DOI

      10.22034/APJCP.2018.19.4.961

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Helicobacter pylori and gallbladder cancer in India2018

    • 著者名/発表者名
      V. Kapoor, Y. Tsuchiya, K. Mishra, R. Vishwakarma, A. Behari, T. Ikoma, T. Asai, K. Endoh, K. Nakamura
    • 学会等名
      13th World Congress of the International Hepato-Pancreato-Biliary Association
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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