研究課題/領域番号 |
17K09106
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
西村 明展 三重大学, 医学系研究科, 講師 (10508526)
|
研究分担者 |
須藤 啓広 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60196904)
大槻 誠 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教 (60367878)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | ロコモティブシンドローム / 疫学調査 |
研究実績の概要 |
平成29年までに4企業でデータの集計が終了し、715名(男性579名、女性136名)で全ての検査がなされていた。 問診でロコモ25、腰痛・膝痛の有無(過去1ヵ月に1日以上続く痛み)、現在の活動強度(UCLA activity scale)などを聴取するとともに2ステップテスト、立ち上がりテスト、大腿四頭筋筋力(アルケア社ロコモスキャン)を測定した。ロコモの判定は「ロコモチャレンジ!推進協議会」の規準に準じてロコモ25、2ステップテスト、立ち上がりテストの3種類を用いて、ロコモなし、ロコモ度1、ロコモ度2に振り分け、年齢・性別でその割合を評価した。結果として20歳代、30歳代といった若年であってもある一定の割合でロコモ度1以上のものが存在していること、活動性が低い者はロコモ度が高く、腰痛などの運動器症状も関与していることが分かった。 2企業を対象として、企業Aには朝の朝礼時にロコトレの運動介入を、企業Bでは運動介入なしで縦断的に経過をみた。2年連続で検診に参加したのは企業Aが88名(男性71名、女性17名、平均年齢46.0歳)、企業Bが101名(男性76名、女性25名、平均年齢46.9歳)であった。介入前に比べ、企業Aではロコモ25,立ち上がりテスト、ロコモ度で有意な改善を認めた。一方、企業Bでは立ち上がりテストは有意な改善を認めたが、四頭筋筋力は有意に低下した。いずれの企業においても運動習慣のステージに変化はなかった。以上の結果から、労働世代にロコモ検診、ロコトレの介入をすることで、運動習慣に変化を与えることはできなかったが、ロコモ予防に寄与出来る可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縦断研究もおおむね順調に進行しており、平成31年にも再度、2つの企業でフォローアップの検診を行い、より長い期間での縦断評価が可能となる見込みである。
|
今後の研究の推進方策 |
ロコトレの介入の結果、運動習慣に変化を与えるまではいかないまでも、ロコモ予防に寄与できる可能性が示唆される結果であった。これらの結果をよりはっきりとさせるため、平成31年の検診にてフォローアップで対象者数も、継続年数も増加させていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2018年度の検診における検者数が予定より少なかったため支出が予定額に満たなかった。2019年度にて検診の費用に充てる予定である。
|