研究課題/領域番号 |
17K09106
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
西村 明展 三重大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (10508526)
|
研究分担者 |
須藤 啓広 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60196904)
大槻 誠 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (60367878)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | ロコモティブシンドローム / 疫学調査 / 勤労世代 / 運動習慣 / 運動器疾患 |
研究実績の概要 |
令和元年までで5企業でデータの集計が終了し、836名(男性667名、女性169名、平均年齢44.4歳)で全ての検査を行った。 このデータを用いて各関節(膝関節、腰部、股関節、頚部、足関節、足部、上肢、肩関節、その他)の痛み、運動習慣(5ステージで評価)、運動機能(歩行能力、大腿四頭筋筋力)などについて横断的にロコモティブシンドローム(ロコモ)との関連性について調査を行った。ロコモの判定は「ロコモチャレンジ!推進協議会」の規準に準じてロコモ25、2ステップテスト、立ち上がりテストの3種類を用いて、ロコモなし、ロコモ度1、ロコモ度2に振り分け、ロコモ度1以上をロコモありと評価して、比較検討した。その結果、22.8%(男性21.0%、女性30.2%)がロコモに該当していた。検診者の59.0%がいずれかの関節に疼痛を有していた。ロコモ群が非ロコモ群に比較して腰部、頚部、肩、膝、股関節の痛みを有する割合が有意に高かった。痛みの有する部位の数もロコモ群が有意に高かった。運動習慣もステージが増加する(運動頻度が高くなる)ほど、ロコモに該当する参加者の頻度が低下する傾向があった。また、ロコモ群は非ロコモ群に比べ、大腿四頭筋筋力が有意に低かった。運動習慣のステージと歩行速度、歩幅、大腿四頭筋筋力は有意な相関を認めており、運動習慣が多いほど、各種運動機能が良好であった。 また、1つの企業(介入群)で朝礼時にスクワットと片脚立ちからなるロコトレを朝礼で行い、もう一方の企業(対照群)では行わずに1年間縦断的に経過を見たところ、介入群では対照群に比べ、ロコモ25,ロコモ度、大腿四頭筋筋力が有意に改善した。 以上の結果より若年・中年層においてもロコトレはロコモ予防・改善に有用であることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナ禍に伴い、研究は遅れたものの、予定しているものは、ほぼ無事終了することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
論文を作成し、終了予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの猛威により、予定より研究遂行が遅れてしまったため。 論文作成に伴い、情報収集のための学術集会出席や英文校正に本研究費を使用する予定である。
|