研究課題/領域番号 |
17K09108
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉冨 摩美 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (90769423)
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研究分担者 |
角田 茂 京都大学, 医学研究科, 講師 (60597300)
錦織 達人 京都大学, 医学研究科, 医員 (50815933)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者 / 胃癌 / 手術 / 予後予測 / ノモグラム / 腹腔鏡 / ロボット手術 |
研究実績の概要 |
団塊の世代が75 歳以上の後期高齢者になる2025 年には、2015 年に12.9%だった75 歳以上人口の割合は、25 年には18.1%の2179 万人になると内閣府は推計している。胃癌患者に関しても同様で、高齢化が進行している。胃癌治療の主軸は切除手術であり、術後早期合併症として縫合不全、膵液漏があるが、中長期的合併症である摂食障害や体力低下、誤嚥性肺炎が高齢者では重症化かつ遷延しやすく、適応の決定にはその点も考慮しなければならない。また、80歳以上の高齢者には化学療法の実施が困難になることが多く、術後補助療法、再発後治療とも実施することは困難である。80歳未満の患者とは異なる治療戦略がこれらの患者には求められる。われわれは、大学・基幹病院が10施設参加する多施設共同研究を実施し、80歳以上の胃癌患者660人のデータを収集した。長期予後を術前に予測することができるノモグラムを作成し、妥当性を内的に検証した。また、80歳以上の高齢者が有する早期胃癌に対する腹腔鏡手術の安全性や有効性を検証した報告はなく、その長期予後と短期死亡率に与える影響を検証した。また、多施設共同データベースを構築し、600人を超える胃癌手術データをこの1年間に集積した。特に2018年以降に保険償還されたロボット胃切除術については多数のデータ集積を行えており、今後、フレイルを含め、80歳以上の患者における低侵襲手術の役割とともに解析を実施していく予定としている。、
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は3つの骨格があり、1つ目はノモグラムの作成、2つ目は腹腔鏡手術の検討、3つ目はフレイルである。既に2つ目まで終了し、3つ目の根幹となるデータベースを構築した。上記2つについては、学会賞を受賞し、上級演題に採用されている。次年度にフレイルについての情報を収集し、解析を実施することで当初の研究目標は達成できるものと考えている。以上より概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ノモグラムと腹腔鏡手術の検討について現在論文化を進めている。またデータベースにフレイルの項目を追加し、ロボット胃切除の効果とともに今年度末に検討を行うこととしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
有効な利用のため繰越金が生じた。 次年度の物品費に充当の予定である。
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