研究課題
目的1:メンタルヘルス上の問題を抱える人々の各種がん検診受診率を明らかとする。また、その受診率と関連する人口動態的要因、社会経済的要因を明らかとする。研究の成果:平成29年度に既に査読付き英文誌において結果公表を済ませた。目的2:メンタルヘルス上の問題を抱える人々の喫煙率等の喫煙状況を明らかとする。また、その禁煙状況と関連する人口動態的要因・社会経済的要因を明らかとする。研究の成果:平成30年度に既に査読付き英文誌において結果公表を済ませた。目的3:重度の心理的苦痛の有無による、がん検診受診率・喫煙率の経時的変化の違いを明らかにする。研究の成果:統計法第33条に基づいて、厚生労働省から平成19、22、25、28年の国民生活基礎調査の調査票情報の提供を受けて解析を実施した。がん検診受診率については、重度の心理的苦痛を有する者、そうでない者ともに受診率は経時的に上昇しているものの、受診率の差はそのままであることが明らかとなった。結果について、令和2年8月に査読付き英文誌に論文が掲載された。喫煙率については、男性では2007年時点で生じていた重度の心理的苦痛を有する者とそうでない者との喫煙率の差が経時的に無くなり、一方女性では喫煙率の差がそのままであることが明らかとなった。結果について、令和2年6月に査読付き英文誌に論文が掲載された。本研究課題により、メンタルヘルス上の問題を抱える人々のがん検診受診率、喫煙率に格差が生じており、また経時的にその改善がほとんど得られていないことが明らかとなり、わが国の公衆衛生上の重要な課題を示した。今後はこの格差を是正するために有効な介入法の開発が必要である。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Psychiatry Research
巻: 291 ページ: 113225
10.1016/j.psychres.2020.113225
Journal of Psychosocial Oncology Research and Practice
巻: 2 ページ: 000000000000025
10.1097/OR9.0000000000000025