研究課題/領域番号 |
17K09114
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 大悟 九州大学, 医学研究院, 助教 (10596828)
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研究分担者 |
岸本 裕歩 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (00596827)
二宮 利治 九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 健康長寿 / 地域高齢者 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
平成30年度の研究実績概要は以下の通りである。 ①平成29年度に福岡県久山町に在住の65歳以上の高齢者を対象に実施したADL障害や認知症に関する包括的な調査のデータ整備を行った。 ②平成29年度に整備した2005年と2012年のデータを使用して、地域高齢者におけるADLが低下せずに自立している健康寿命達成の危険因子・防御因子について検討した。【方法】2005年の時点でADLが完全に自立した65~89歳の地域高齢者1066人を7年間追跡し、ADLが7年後に低下していなかった者を健康寿命達成とした。ADLの評価はBarthel Indexを用いて評価し、95点以下をADL低下ありとした。性別・年齢・身体状況・社会的因子を暴露因子とし、ロジスティック回帰分析により健康寿命達成との関連を検討した。Backward法によって健康寿命達成を予測する最適なモデルを抽出し、モデルの評価にはC統計量を用いた。【結果】対象者のうち729人(68.4%)がADLを維持しており健康寿命を達成していた。健康寿命達成の危険因子として選ばれたものは、年齢、糖尿病、やせ(BMI18.5kg/m2未満)、アルブミン低値(3.8g/dL未満)、GPT高値(30IU/I以上)、尿蛋白陽性(1+以上)、認知症、うつ傾向(GDS得点6点以上)、喫煙、教育歴9年以下、仕事であった。この予測モデルのC統計量は0.82であり、健康寿命達成の判別能は良好であった。 以上のことより、平成30年度は研究実施計画の通りに研究を遂行できている。平成31年度には2005年、2012年、2017年のデータを統合し、地域高齢者における健康寿命の算出と健康長寿の評価を個人単位で行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成30年度の研究実績概要は以下の通りである。 ①平成29年度に福岡県久山町に在住の65歳以上の高齢者を対象に実施したADL障害や認知症に関する包括的な調査のデータ整備を行った。 ②平成29年度に整備した2005年と2012年のデータを使用して、地域高齢者におけるADLが低下せずに自立している健康寿命達成の危険因子・防御因子について検討した。【方法】2005年の時点でADLが完全に自立した65~89歳の地域高齢者1066人を7年間追跡し、ADLが7年後に低下していなかった者を健康寿命達成とした。ADLの評価はBarthel Indexを用いて評価し、95点以下をADL低下ありとした。性別・年齢・身体状況・社会的因子を暴露因子とし、ロジスティック回帰分析により健康寿命達成との関連を検討した。Backward法によって健康寿命達成を予測する最適なモデルを抽出し、モデルの評価にはC統計量を用いた。【結果】対象者のうち729人(68.4%)がADLを維持しており健康寿命を達成していた。健康寿命達成の危険因子として選ばれたものは、年齢、糖尿病、やせ(BMI18.5kg/m2未満)、アルブミン低値(3.8g/dL未満)、GPT高値(30IU/I以上)、尿蛋白陽性(1+以上)、認知症、うつ傾向(GDS得点6点以上)、喫煙、教育歴9年以下、仕事であった。この予測モデルのC統計量は0.82であり、健康寿命達成の判別能は良好であった。 以上のことより、平成30年度は研究実施計画の通りに研究を遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度には2005年、2012年、2017年のデータを統合し、地域高齢者における健康寿命の算出と健康長寿の評価を個人単位で行う予定である。さらにこの追跡データセットを用いてADL障害発症や健康長寿達成に関連する要因(生活習慣・身体状況・社会的因子)の検証を行い、得られた結果を国内学会で報告するとともに英文医学雑誌に投稿予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた研究補助員の人件費の一部と必要物品の購入を次年度にまわすことになったため。
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