研究課題/領域番号 |
17K09119
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
伊波 英克 大分大学, 医学部, 准教授 (50242631)
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研究分担者 |
アハメド カムルディン 大分大学, 医学部, 客員研究員 (00398140)
江島 伸興 京都大学, 高大接続・入試センター, 特定教授 (20203630)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | HTLV-1感染症 / 疫学調査 / マレーシア / ボルネオ島北部サバ州 |
研究実績の概要 |
ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)感染の疫学調査が未実施であったマレーシアのボルネオ島北部サバ州において、提携先の国立マレーシア大学サバ校(UMS)と共同で同州中核都市 Kota Kinabalu及びその周辺地域の男女1986人の血液検体を過去3年に渡り収集し、血清学的検査(粒子凝集法)を実施した。その結果HTLV-1感染2例(男女各1例)を見いだし、その2例についてUMSにおいてプロウイルスゲノムの塩基配列解析を実施中である。 またUMSにおいて同大大学職員・医学部学生を対象とした、HTLV-1関連疾患の疫学、疾患の予防、疾患の診断及び治療法に関するセミナーを3回実施し、本研究事業の進捗やその社会的意義について解説した。同大学においてはさらにHTLV-1感染の粒子凝集法による診断技術の学習・修得コースを設置した(コース修了者へは認定証公布)。 また同州保健衛生担当者に対し、同地域のHTLV-1感染状況の更なる調査の必要性について解説し、HTLV-1感染症の病理学的意義、感染予防への対応策や国内外の診断・治療事例などの情報を提供した。 同サバ州では、社会学的・地政学的諸事情により、多岐にわたる感染症の蔓延が深刻化している。具体的にはウイルス性消化器感染症やそれに付随する脳症、ピロリ菌関連疾患などである。上記疾患の疫学調査検体として、UMSにおける本研究事業収集検体の再活用も行われており、今後の研究成果の公表及び同州の保健衛生事業への貢献が期待される。
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