研究課題/領域番号 |
17K09122
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研究機関 | 保健医療経営大学 |
研究代表者 |
伊藤 一弥 保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 教授(移行) (90768136)
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研究分担者 |
福島 若葉 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70420734)
大藤 さとこ 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70433290)
近藤 亨子 大阪市立大学, 医学部・附属病院運営本部, 技術職員 (80420727)
前田 章子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (40250279)
加瀬 哲男 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (10175276)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | インフルエンザ / ワクチン / 免疫原性 / 血清学的感染 |
研究実績の概要 |
インフルエンザワクチンの繰り返し接種によって、ワクチンの免疫原性(ワクチン接種により誘導される抗体応答)が減少する、特にAH3についてその傾向が顕著であるという報告がある。一方で、過去の感染の影響を考慮した研究は限られている。 我々は、2014/15、2015/16および2016/17シーズンに連続して不活化インフルエンザワクチンを接種した医療従事者を対象に、毎シーズンのシーズン前(S0)、接種後(S1)、シーズン後(S2)の、ワクチン抗原ならびに流行抗原に対する赤血球凝集抑制抗体価を追跡し、ワクチン接種により誘導される抗体応答が当該ならびに後続シーズンの血清学的感染(S2/S1≧4 or S2≧40, “SI”)に与える影響、さらに、SIが後続シーズンのワクチン接種により誘導される抗体応答に与える影響を評価した。抗体応答は、seroprotection rate (S1≧40, “SP”)ならびにseroresponse rate (S1/S0≧4, “SR”)により評価した。 SIが後続シーズンの抗体応答への影響について報告する。AH3はシーズンごとに異なるcladeの抗原が流行し、ワクチン抗原も変更された。2014/15にSIを経験したものは、経験しなかったものに比べて、2015/16のワクチン抗原に対するSP(S1)が統計学的に有意に高かった。2015/16のSIと2016/17のワクチン抗原・流行抗原に対するSP(S1)の間にも同様の傾向が認められた。AH1(抗原変異なし)、B(抗原変異あり)についても概ね同様の傾向が認められた。 シーズン間での抗原変異の有無に関わらず、前シーズンにSIを経験したものは、後続シーズンのワクチンの免疫原性が、SIを経験しなかったものに比べて高い傾向があった。
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