研究課題
本研究では岩手県北部・沿岸地域で実施されている健診受診者26,469人を対象とした岩手県北地域コホート研究(県北コホート)を基盤として、レセプトデータ(医科、調剤、DPC)を収集することで、レセプトデータによる脳卒中判定の妥当性を検証し、レセプトデータによるアウトカム把握を大規模コホート研究に適用することの妥当性を明らかにすることを目的とする。県北コホート研究の対象地域は岩手県北部・沿岸の二戸、久慈、宮古の3保健医療圏である。県北コホート研究では追跡調査として、平成14年度から現在ままで、住民票照会による生死・転出情報、人口動態調査票の二次利用申請による死因情報、介護保険制度による介護認定情報、地域発症登録データとの照合による循環器疾患罹患情報を追跡してきた。平成29年度は追跡調査の継続し、またレセプトデータの収集基盤の構築を目指した。平成29年度は前年までに集められた生死・転出情報の整理を行い、追跡データの更新を行った。その結果、総観察人年276979人年(平均10.5年)、3315人(男1884人、女1431人)の死亡を確認した。総死亡率(1000人年対)12.0(男20.2、女7.8)であった。また厚生労働省の承認の下、人口動態調査の二次利用により死亡者の死因調査を二戸、宮古及び久慈保健所で実施した。さらにレセプトデータの収集基盤の構築を目指し、市町村からの電子レセプトデータ取集方法、電子レセプトデータ(医科、調剤、DPC)のデータ構造の精査、収集されたレセプトデータからの情報抽出の方法について検討した。
3: やや遅れている
本研究では基盤となる岩手県北地域コホート研究の追跡調査を継続することとレセプトデータを収集することになっている。平成29年度は主に既に集められている生死・転出情報の整理、死因情報の調査を行い、追跡データを更新することができた。一方、平成29年度はレセプトデータ収集基盤の構築を目指し、検討を行ったが、構築までには至らなかった。これは、データ整理及び死因調査が下半期まで及んだこと、及び、並行して実施していたレセプトデータ(標準化様式)の精査、収集されたレセプトデータからの情報抽出方法の検討に時間を要したためである。
本研究の基盤となる岩手県北地域コホート研究の追跡調査を継続する。平成29年度に収集された死因データの整理(平成30年度上半期)とレセプトデータ収集基盤の構築を目指す(平成30年度下半期)。平成29年度の検討で岩手県国民保険連合会との検討により、市町村からのレセプトデータ収集方法が明らかにしており、平成30年度は研究協力関係にある市町村と交渉を進めていく予定である。合わせてレセプトデータからの情報抽出方法について検討を続ける。
平成29年度にレセプトデータ収集基盤の構築を目指していたが、追跡データの更新作業や死因調査等のため基盤構築に至らなかったため。平成30年度にレセプトデータ収集基盤となるシステム購入とレセプトデータ提供料に使用する。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)
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