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2018 年度 実施状況報告書

自立度が異なる地域在住高齢者の身体機能の経年変化および運動・栄養プログラムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K09128
研究機関十文字学園女子大学

研究代表者

長澤 伸江  十文字学園女子大学, その他部局等, 研究員 (50249322)

研究分担者 岡本 節子  十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (30738498)
高橋 正人  十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (50265485)
飯田 路佳  十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (50458593)
池川 繁樹  十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (90147869)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード身体機能低下 / 骨格筋指数(SMI) / サルコペニア / 栄養素摂取状況
研究実績の概要

高齢者は体力や栄養摂取の低下などから筋量減少を伴うサルコペニアとなり、さらには身体機能、活動量の低下、低栄養からフレイルを来し要介護の原因となる。30年度はアジア人のサルコペニア診断基準の提唱を受け、In bodyを測定項目に加え、BIA法による骨格筋指数(SMI)を算出し対象者のサルコペニアの実態を把握した。自立度の異なる地域在住高齢者の体位、身体機能、健康関連QOL(SF-8)、ロコチェック(7項目)、食事調査を実施し身体機能低下、サルコペニア出現の実態把握を行い、栄養素摂取状況との関連を検討した。全身の筋量減少によるサルコぺニアに着目し身体機能および栄養摂取との関連を究明するため、要介護群、介護予防群、自主運動群で行われているストレッチ、有酸素運動、レジスタンス運動などを継続的に実施し、半年ごとに体組成(主にIn body、骨密度、大腿部筋厚)および身体機能(握力、歩行速度、TUG、FRなど)を測定し、健康調査のアンケ―トを行った。3日間の食事記録より日常的な栄養素等摂取量および食品群別摂取量を算出した。自立度の異なる地域在住高齢者のサルコペニアの出現状況と四肢骨格筋指数SMI低下の身体機能への影響を検討し、要介護にならないためにはSMI低下を予防し、BMIを適正範囲に改善することが示唆された。また、四肢骨格筋指数SMI低下を予防するためには、必要なエネルギー量を穀類や魚介類、肉類、卵類などの良質なたんぱく質から摂取し、BMIを適正範囲に改善することが望ましいと考えられた。30年9月および31年2月の調査対象者はそれぞれ、要介護群では体力測定49名および45名、食事調査13名および16名、介護予防群では体力測定14名および13名、食事調査12名および13名、自主運動群は体力測定17名および9名、食事調査15名および7名であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

30年度に自立度にあわせた運動プログラム、栄養プログラムの介入を予定していた。運動プログラムに関しては対象者の身体機能の分析結果より、リズム体操など少し強度を高めた運動を提案したが、高齢者は新しいことを取り入れることに抵抗が見られ、運動プログラム介入には至らなかった。また、栄養プログラムに関しては、エネルギーとたんぱく質などの摂取量を高める簡単レシピの提案を予定したが、要介護者や男性では料理を自身で作らない対象者も多く、レシピ提供することが困難であった。調理担当者や在宅高齢者に体操教室以外に改めて調理や栄養の話を聞いてもらう時間を確保することができなかった。以上の理由により運動プログラムの介入、栄養プログラムの介入が予定通りに進まなかった。
調査参加者数について、デイサービス利用の要介護群の対象者数は増加した。一方、介護保険法の一部改正により、介護予防教室の開催継続がなくなり参加者数が激減した。自主体操群の参加者も減少し、特に2019年2月調査では、インフルエンザ大流行で外出を控えた高齢者が出たため、自主運動群の調査参加者数が激減した。
以上より、やや遅れているといえる。

今後の研究の推進方策

本研究は、全身の筋量減少によるサルコぺニアに先行して起こる大腿部の筋肉低下site-specificサルコペニアに着目する計画であったが、アジア人のサルコペニア診断基準の提唱を受け、In bodyを測定項目に加え、BIA法による骨格筋指数(SMI)を算出し対象者のサルコペニアの実態を把握することとした。サルコペニア出現状況およびSMI低下の身体機能への影響を検討する。
最終年度はそれらの改善に向けた運動プログラムおよび栄養プログラムを再考する。運動に関して、要介護群はデイサービスの健康運動指導士の提案でストックウォーキングを始める。介護予防群はリズム体操をさらに積極的に取り入れていく。自主体操群は、ビデオ視聴しながら無言で行っている体操に加え、声を出してカウントしながら音楽に合わせて体操を行うプログラムを31年4月から取り入れる。栄養に関して、調理をしない高齢者でも自身の食事をチェックしバランスの良い食事をめざすことにした。簡単にできる料理の講習やレシピ提供などの栄養プログラムではなく、サルコペニア予防、認知機能低下リスク低減に有効であると報告されている10食品群の摂取を進める栄養プログラム(食品摂取多様性10食品摂取チェック用紙を配布)を介護予防群、自主体操群を対象に行うことに変更した。

次年度使用額が生じた理由

31年度は年2回の体力測定および栄養調査を行わない予定であった。30年度に運動プログラム介入、栄養プログラム介入を実施できなかった。介入の内容を再検討し、31年度に年2回の調査を実施するため次年度使用額が生じた。31年度調査で使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 自立度の異なる地域在住高齢者の身体機能低下の実態-サルコぺニア出現状況およびSMI低下の身体機能への影響-2019

    • 著者名/発表者名
      長澤伸江
    • 学会等名
      第66回日本栄養改善学会
  • [学会発表] 地域在住高齢者のSMI低下と栄養素等摂取量との関連2019

    • 著者名/発表者名
      岡本節子
    • 学会等名
      第66回日本栄養改善学会
  • [学会発表] 地域在住高齢者のSMI(骨格筋指数)低下と身体機能、栄養摂取状況との関連2018

    • 著者名/発表者名
      長澤伸江
    • 学会等名
      第72回日本栄養・食糧学会

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公開日: 2019-12-27  

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