研究課題/領域番号 |
17K09128
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研究機関 | 十文字学園女子大学 |
研究代表者 |
長澤 伸江 十文字学園女子大学, その他部局等, 研究員 (50249322)
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研究分担者 |
岡本 節子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (30738498)
高橋 正人 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (50265485)
飯田 路佳 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (50458593)
池川 繁樹 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (90147869)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地域在住高齢者 / 身体機能低下 / 骨格筋指数(SMI) / サルコペニア / 栄養素等摂取状況 / 運動プログラム |
研究実績の概要 |
自立度の異なる地域在住高齢者の身体組成、身体機能の経年変化と栄養摂取状況から運動介入や栄養教育の課題を検討することを目的とした。要介護者、介護予防支援者、自主運動者を対象とし、身体組成と身体機能を測定し、健康調査と食事調査を半年毎に行った。本年度は女性高齢者のサルコペニア有病率の実態とSMI(四肢骨格筋指数)低下が身体機能に与える影響を検討した。要介護群(n=27)では、32.1%がサルコペニア、25.9%は重症サルコペニアであった。介護予防群(n=11)の9.1%、自主運動群(n=23)の17.4%にサルコぺニアが認められ、介護予防群に比べ自主運動群で低体重、SMI低下者、サルコペニア有病者が多いこと、SMI低下はBMIおよび下腿筋肉量の低下と連動し、握力やFRなどの身体機能低下をもたらすことを明らかにした。 本研究では、身体機能の経年変化から運動継続の効果を検討した。1年後、要介護群(15人)は握力、歩行速度が有意に低下したが、介護予防・自主運動群(20人)では身体機能は維持され、ベースライン値が低いほど運動効果が高いことを明らかにした。しかしFRは低下し、体幹能力と下肢筋肉量を高める運動介入の必要性が示された。介護予防・自主運動群の食事からSMIに関連する要因を検討した。SMI低下群は、体重、魚介類、穀類、たんぱく質E比率が低かった。穀類やたんぱく質性食品を摂取しBMIを適正範囲に改善する必要性が示された。 サルコペニア予防として、体幹能力や下肢筋肉量を高める運動プログラムの提供と適切なエネルギー量を穀類、良質なたんぱく質性食品から摂取し、BMIを適正範囲に改善する食事指導の必要性を示した。要介護者のデータは少なく、要介護者、介護予防支援者と比較しながら身体機能低下の実態を把握したことに意義がある。適切な介入につなげることで要介護状態に陥る高齢者を減らすことが期待できる。
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