研究実績の概要 |
本研究の目的は、85歳以上超高齢者1000名の住民調査において、眼疾患の有病率および危険因子の解明機械学習という手法を用いた、超高齢者において遠隔診断可能なドライアイツールの作成である。 平成29年3月から慶應義塾大学と川崎市との共同で実施を開始した健康長寿を実現するためのコホート学術調査:川崎市における高齢者の暮らし方と健康に関する学術調査(川崎ウェルビーイング・プロジェクト)は、1,000名以上の川崎市在住の健康な85-89歳の日常生活に介護の必要のない高齢者の方を対象として、平成30年12月をもってその基礎調査を終了した。この基礎調査の中には、① 郵送アンケート調査(生活習慣、健康状態、幸福感、地域参加に関するアンケート票と食習慣調査票)、および② 健康調査(医師による問診・診察、身体計測、ものわすれチェック、心電図、インピーダンス法による体組成分析、頸動脈エコー検査、運動機能、爪郭部毛細血管顕微鏡検査、採血、検尿、骨密度検査、脊椎レントゲン検査)が含まれており、眼科学においてはドライアイの問診票も含まれている。 計解析方法の確立としては、他のデータセットを用いて、ランダムフォレストもしくは、Naive Bayes の機械学習アルゴリズムによるドライアイ診断ツールの作成方法をすでに実証した。その結果、ランダムフォレストもしくは、Naive Bayes 両方で多少の感度・特異度の差は認めたものの、同様の結果が得られ ることが証明済であるため、用いる。 令和2年データセットのクリーニングが終了し、現在統計解析中であり、最終結果は早々に報告できる予定である。
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