研究課題/領域番号 |
17K09131
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
沢田 晃暢 昭和大学, 医学部, 准教授 (80266105)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 乳房濃度 / Dense Breast / 乳癌検診 / マンモグラフィ検査 / 乳房超音波検査 |
研究実績の概要 |
この研究は、H29年度から4年間をかけて、品川区、および昭和大学病院周辺医療機関で行った乳癌検診で得られたデータを、後ろ向きに観察することで、今後の乳癌検診の方法について検討することを目的とした研究である。 現在の乳癌検診は、2年おきにマンモグラフィ(MMG)検査をおこない、乳癌の存在有無を確認する検査システムである。しかしながら、MMGで得られた画像から、異常所見を見つけにくいグループが存在することが分かってきた。それは、乳房濃度が高い群である。このグループは、乳房濃度に隠れて腫瘤像が存在するために、腫瘤を異常所見として画像化する事が困難なのである。その為には、この高濃度乳房(Dense Breast)群を正確に把握することが必要なため、我々は3次元乳房評価ソフトのボルパラ(Volpara)を使用している。 このDense Breast群に対しては、MMG検索の有効性が低いため、乳房超音波検査(US)を推奨している。もともと、品川区の乳癌検診は、MMG検査とUS検査の併用システムであり、他の地域で行われている、MMG単独判定システムとは異なっており、正確な診断が出来ている、しかし、全症例にMMGとUSの両方の検査を行なうことは、マンパワーや、コストを考えた場合に、すべての地域で出来る検査方法ではない。そこで、まずはMMG検査のを行い、Dense Breastの症例のみUS検査を行なう新しいシステムを考えている。MMGとUSの実質間隔について、観察研究を行なうことで明らかにしたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MMG検査で乳房濃度を測定するために、現在、Volparaを使用して濃度測定している。 このVolparaソフトはすべてのデジタルマンモグラフィ機器に対して有効である。 しかしながら、近隣の医療施設では、いまだにアナログのマンモグラフィ機器を使用している施設があり、症例の集積に時間がかかっている状態である。 Volparaソフトが実際に使えるかどうかを各施設の症例で行なう確認作業で時間をとられている。 しかしながら、この作業が終われば、計画通りの進行状況に戻ると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
1)改めて、オプトアウトの為の倫理委員会の審査をクリアする 2)各施設で、ボルパラソフトを使用して、データ収集の可能性の有無を確認する。 3)データの収集を行い解析を行なう。 課題:昭和大学病院のデータ集積は順調であるが、他の施設に関して、症例数の集積に時間が取られている。 対応策:症例数の集積をスムーズにするため、品川区乳癌検診参加施設のみではなく、近隣のブレストクリニックの協力を得るべく、新たに、倫理委員会に申請中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在、計画の遅れが若干生じており、その結果、経費の使用状況にも、遅れが生じている。 この遅れは、この研究が終了するまでには、修正できると考えている。
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