研究課題/領域番号 |
17K09135
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
櫻井 勝 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90397216)
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研究分担者 |
石崎 昌夫 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10184516)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 予防医学 |
研究実績の概要 |
本研究では,幅広い年齢層を含む職域集団を対象に,生活習慣病をはじめとする代謝異常の発症を規定する生物学的要因,地理的・社会的要因,健康に関する知識や実際の健康行動などを,その背景にある体格別に比較し,代謝異常を発症する過程における体格の変化や,代謝異常発症の背景にある危険因子の体格による違いを明らかにすることを目的とする. 平成30年度は,平成29年度に入手した健康調査,健康診断の結果をもとに,ベースラインデータの解析を行った. 1)対象企業の全国の従業員19,439名のうち,平成26年度の健康調査及び健康診断の結果が結合可能で欠損データのない14,558名を解析の対象とした.2)対象者は男性10448名,女性4110名,年齢構成は18歳から39歳6196名,40歳以上8362名,職種は管理職1589名,営業3668名,技術1650名,製造7651名であった.3)腹囲で判定した肥満者は,男性38.9%,女性9.6%であった.4)肥満の有病率は20代で14.2%,年齢とともに増加し,60歳以上で46.6%であった.肥満の有病率は北海道で最も高く(44.8%),関西で最も低かった(21.7%).また,管理職で最も低く(25.4%),営業職で最も高かった(33.9%).5)肥満と健康意識との関連では,肥満者では非肥満者よりも「自分の適正体重を知っている者」,「すでに生活習慣改善に取り組んでいる者」,「月数回,週2-3回運動を実施している者」の割合は多く,「朝食を毎日食べる者」「一日の平均歩数が1万歩以上の者」の割合は少なかった.肥満者では日々の健康は意識しているものの,実際の歩数や朝食摂取など具体的な健康行動には十分に結びついていない可能性が示唆された. また,生活習慣病発症に関する縦断研究のデータセットの作成のために,平成26年から平成29年までの健康診断結果を入手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者の追跡に関する資料の入手に関して,資料の提供元でのデータ突合に時間がかかり,資料提供に予定以上に時間がかかったため.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に入手した追跡資料をもとに,追跡データセットを作成し,肥満の有無と健康行動の変化・代謝異常発症との関連を縦断的に解析を行う.これらの成果を学会発表し(日本疫学会,2020年1月,京都),英語論文として公表する.
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:研究に用いる資料の調整に時間がかかり入手が遅れたため,平成30年度に予定していた資料整理の謝金やデータベース構築委託費などが予定よりも少なかったため. 使用計画:資料整理やデータベース構築は平成31年度に実施するため,その経費として繰り越して使用する.
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