平成31年度(令和元年度)においては前年度にまとめたデータを解析した。得られたアンケートの中で解析可能なものは34名であり、男性11名、平均年齢69歳であった。70%以上の患者が肝臓外来に通院中であり、治療の契機となった理由は74%が主治医に勧められたから、21%が治したかったからであった。開始前には約7割の患者が治療効果、副作用などにたいしてなんらかの不安を感じていたが、9割以上が治療後には“思ったより楽であった”と回答しており、また治療によって体調の悪化を感じた患者は1割に満たなかった。心境の変化に関しては88%の患者が“気持ちが楽になった”と回答しており、1人を除いてほぼ全員がこの治療は未治療の人にお勧めできる治療であると答えていた。今回の結果より、新規に患者をHCV検査の受検につなげるような因子を見出すことはできなかったが、得られたデータはこれから新規に治療を検討している患者に対する心理的なハードルを下げることに関しては非常に有用であると考えられた。以上よりこれらのデータをまとめて日本肝臓学会西部会にて「DAAs治療後のC型肝炎患者の体調、心境の変化」という演題にて学会発表を行なった。また今後新しくC型肝炎治療を受ける予定や、治療を検討している患者向けのパンフレットを作成した。パンフレットはデジタル媒体として大阪医科大学附属病院の肝疾患センターのホームページに掲載し、また印刷して紙媒体にして窓口に設置する予定である。
|