研究課題/領域番号 |
17K09143
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
大谷 成人 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10561772)
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研究分担者 |
奥野 寿臣 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10221152)
島 正之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)
中嶋 一彦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40340955)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | インフルエンザ / 細胞性免疫 / 液性免疫 / 中和法 |
研究実績の概要 |
成人におけるインフルエンザワクチンの接種回数は1回もしくは2 回と接種回数の具体的な基準は規定されていない。そのため、本研究では、1 回接種と2 回接種での細胞性免疫と液性免疫の変化を見ることにより、ワクチンの接種回数による免疫学的影響の評価を行った。 本研究への協力に同意したインフルエンザワクチン接種予定の基礎疾患のない成人より採血を行い、全血とインフルエンザ抗原4種{H1N1,H3N2、B(山形系)、B(ビクトリア系)}それぞれと反応させた。抗原量や培養時間は先行研究で設定したものを用いた。方法は、1回目ワクチン接種前後において、採血を行い、細胞性免疫の測定を先行研究にて確立した細胞性免疫測定法(IFN‐γ release assay)で、液性免疫の測定を赤血球凝集抑制試験(HAI)、中和法(NT)にて行った。同様に、2回目のワクチン接種後にも採血を行い、1回目と同様に細胞性免疫測定と液性免疫の測定を行った。 細胞性免疫の結果は、1回目で細胞性免疫の反応を示さなかった群では、2回目接種後で半数近く陽性となった。そのため、細胞性免疫に対する1次ワクチン不全の者に対しては、ワクチン2回接種が細胞性免疫の増強に有効であることが示唆された。 液性免疫の結果は、HAIとNTの値は、ワクチン接種前後のすべてにおいて相関関係を認めた。しかし、1回接種後と2回接種後のGeometric mean titer(GMT)比を比較した場合、HAIではビクトリア系のみが2回接種後に上昇したが、それ以外の3種は上昇しなかった。一方、中和法では、4種類とも2回接種後のGMT比は上昇を認めた。このようにHAIとNTでは2回接種後の反応に差を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究結果を論文投稿し、平成30年度中に受理された。また、引き続き検体の採取が順調に行えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であり、これまで得られた結果を評価する予定である。また、細胞性免疫に関しては、他のマーカーとの比較検討も必要であると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に検体を採取したため、4月以降に抗体測定の費用などに用いる。
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