研究課題/領域番号 |
17K09144
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
奥田 真珠美 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40531091)
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研究分担者 |
神谷 茂 杏林大学, 保健学部, 教授 (10177587)
間部 克裕 独立行政法人国立病院機構函館病院(臨床研究部), 臨床研究部, 消化器科部長 (10596654)
菊地 正悟 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40224901)
加藤 元嗣 独立行政法人国立病院機構函館病院(臨床研究部), 臨床研究部, 院長 (60271673)
大崎 敬子 杏林大学, 医学部, 准教授 (90255406)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ピロリ菌 / 中学生 / 検診 / 感染時期 / 薬剤耐性 / 感想調査 |
研究実績の概要 |
(1)中学生ピロリ菌検診の適切な実施時期の検討。対象は篠山市で中学1年生で篠山市が実施するピロリ菌検診(尿中ピロリ菌抗体)を実施した対象について、3年生でも抗体検査を実施した986名である。尿中ピロリ菌抗体測定はウリネリザH. pylori抗体を用いた。結果:906名は中学1年、3年ともに持続陰性、40名は持続陽性であった。12名は1年生陰性であったが、3年生で陽性となった(陽転者)。一方、28名は陽性から陰性(陰転者)になった。このうち3名は除菌治療を受けていた。持続陽性のうち18名が精密検査(尿素呼気試験:UBT)を受け、10名は陽性であったが、8名は陰性で尿中抗体検査が偽陽性と判定した。陽転した12名のうち、6名はUBTを実施したが、全員陰性であり、感染は確認できなかった。尿中抗体検査はピロリ菌感染検査として簡便であるが、偽陽性が多く、陽性的中率が低いことが問題であった。今回の研究では中学生の間では新たな感染は認めず、検診時期として中学生ではどの時期でも良いことが示唆された。 (2)便を用いた、クラリスロマイシン(CAM)耐性遺伝子の検出:研究途中であり、対象は少ないが、5名の便からH. pylori DNAが抽出でき、3名で変異があった。内視鏡検査を実施した2名では培養も実施しており、培養結果との相関も検討していく予定である。 (3)ピロリ菌検診について、保護者はどのような感想を持っているのか、篠山市において無記名アンケート調査を行った。対象は中学3年生286名と尿中ピロリ抗体陽性結果で精検対象となった117名の保護者である。アンケート調査用紙を郵送し、それぞれ、108名、31名から回答を得た。中学3年生では93%、精検対象者では97%が『ピロリ菌検診を受けて良かった』と回答した。最終的にピロリ菌感染と診断された15名は全員が『検診を受けて良かった』と回答した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中学生986名について、2年間隔の抗体検査を実施しえた。便中のクラリスロマイシン耐性は内視鏡症例が少なく、解析が十分できていない。研究途中で、必要性があったため、中学生ピロリ菌検診を受けた対象の保護者に対して、感想調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
中学生におけるピロリ菌抗体検査の変化については、精密検査症例を増やして、論文作成予定である。 クラリス耐性については、症例を集積していく。 感想調査については、日本ヘリコバクター学会や日本公衆衛生学会で発表予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ入力のための人件費が少なかったこと、便サンプルの収集が少なかったことが主な使用学が異なる理由と考える。
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