研究課題
(研究背景と目的)近年、糖尿病網膜症患者は増加しており、また、就業年齢に重度の視力障害を来たし高額な医療費を要するため、患者本人だけでなく医療経済的にも問題となっている。糖尿病患者への食事指導は内科的には必須なものであるが、糖尿病網膜症の独立した因子としての食品因子の関連の報告は少ない。本研究では、脂質異常症や循環器疾患、糖尿病合併症に対してすでに有効性が報告されている多価不飽和脂肪酸の糖尿病網膜症への影響を、大規模疫学コホート研究による眼科検診データを用いて明らかにする。本研究により、将来的には、網膜症発症予防としての食事指導だけでなく、網膜症予防治療薬の開発への応用が期待できる。(研究計画と方法)一般住民検診・眼科検診のデータを用い、眼底写真より判定した国際重症度分類による糖尿病網膜症の重症度、光干渉断層計の画像データより判定した黄斑浮腫と、食品摂取頻度調査票より抽出した脂肪酸摂取量との関連を明らかにする。(令和1年度の計画と実績)昨年度に終了予定であった、食品頻度摂取票からの栄養素の抽出(国立がん研究センターが担当)と眼科データ(眼底読影結果、網膜厚、その他の眼科質問票、眼圧、屈折値など)の整備、両データの突合を継続して行い終了した。さらに、本年度予定していた、網膜症、黄斑浮腫と脂肪酸摂取の関連解析を行った。
3: やや遅れている
遅れていた網膜厚のデータベースの作成、食品摂取頻度調査票からの栄養素の抽出、背景情報のデータ整備と眼底読影結果との突合作業は終了した。網膜症、黄斑浮腫と脂肪酸摂取の関連解析を行ったが、前年度の作業の遅れを持ち越したため、全体の計画の進捗に遅れが生じ、本年度に行う予定であった、学会発表、論文投稿などの、研究で得られた知見の公表を行う時間が不足した。また、より正確な関連解析のため、光干渉断層計画像と眼底写真の確認作業を行う必要が生じた。
網膜症、黄斑浮腫と脂肪酸摂取の関連を解析したが、より正確な関連解析のため、光干渉断層計画像と眼底写真の確認作業を行う必要が生じた。また、前年度の遅れを持ち越したため、学会発表、論文投稿など、研究で得られた知見公表を行う時間が不足した。このため、補助事業の延長申請を行い承認されており、本年度中に学会発表および論文投稿を行う予定である。
遅れていた網膜厚のデータベースの作成、食品摂取頻度調査票からの栄養素の抽出、背景情報のデータ整備と眼底読影結果との突合作業は終了した。網膜症、黄斑浮腫と脂肪酸摂取の関連解析を行ったが、前年度の作業の遅れを持ち越したため、全体の計画の進捗に遅れが生じ、本年度に行う予定であった、学会発表、論文投稿などの、研究で得られた知見の公表を行う時間が不足した。また、より正確な関連解析のため、光干渉断層計画像と眼底写真の確認作業を行う必要が生じた。これらを行うための事務経費、研究で得られた知見公表のための論文作成にかかる英文校正、投稿料、学会発表に関する費用として、本度未使用分の予算を使用したい。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
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