研究課題/領域番号 |
17K09150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
疫学・予防医学
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
佐々木 真理子 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (60276342)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 糖尿病網膜症 / 脂肪酸摂取 / 不飽和脂肪酸 / 多価不飽和脂肪酸 / 疫学コホート / 日本人 |
研究成果の概要 |
日本人コホートの糖尿病を有する者において、総脂肪酸、飽和脂肪酸摂取量と糖尿病網膜症の有病に正の関連を認めた。糖尿病ガイドラインの脂肪摂取量の目安は、総脂肪は総エネルギー量の25%以下、飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸は、各々10%以下である。今回の検討では、この基準以上の総脂肪、飽和脂肪酸の摂取量で糖尿病網膜症の有病との関連を認め、糖尿病網膜症の視点からも、ガイドラインの推奨基準が妥当であることが示された。一方、不飽和脂肪酸の摂取量と糖尿病網膜症の有病に有意な関連は認められず、その効果に人種差があることが示唆された。脂肪酸摂取の糖尿病網膜症への影響を明らかにするためには、さらなる研究が必要である。
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自由記述の分野 |
眼科 疫学 糖尿病網膜症 加齢黄斑変性
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、日本人コホートデータを用いて、総脂肪および飽和脂肪酸摂取量が、糖尿病網膜症の有病と正に関連することを明らかにした。この結果は、日本人のように脂肪摂取が少ない集団においても、飽和脂肪酸摂取量の増加は糖尿病網膜症の有病に影響を与えること、また糖尿病網膜症の予防の観点からも糖尿病ガイドラインの摂取基準が妥当であることを示している。一方、不飽和脂肪酸摂取と糖尿病網膜症の有病には関連を認めなかった。これらの知見は栄養指導の指針として、糖尿病網膜症の予防や進行の抑止に役立つ。また、日本人を含むアジア人での脂肪酸摂取と糖尿病網膜症の有病の関連の研究はこれまでになく、学術的にも大きな意義があった。
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