研究課題/領域番号 |
17K09153
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
渡邉 美貴 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60773695)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | ピロリ菌感染率 / 若年者 / 地域住民 / ピロリ菌感染様式 |
研究実績の概要 |
今までにピロリ菌感染率についての報告がほとんどない1980年代、1990年代生まれの若年者を含む地域住民の出生年別のピロリ菌感染率と胃がん高リスク者割合を調査・検討する。さらに、子供の頃の家族構成・飲料水・居住地と親のピロリ菌感染の有無から、感染率が低いであろうと予測される若年者の感染様式について検討する。 日本多施設共同コーホート研究・岡崎研究参加者のうち、40~65歳(2018年4月1日現在)の者とその子供を含む家族を対象者とする。感染様式を検討するために、子供の頃の家族構成や飲料水、居住地に関する情報と現在の飲酒、喫煙、食習慣をはじめとする生活習慣についての情報を収集する。 2018年度は、調査に使用するための生活習慣に関する自記式調査票と調査手順書を作成し、参加者のリクルート方法、同意取得方法について検討した。調査のために、共同研究施設との調整・打合せ、調査スタッフの体制などの準備も同時に進め、名古屋市立大学の倫理審査承認後、対象者約2,200人に研究案内を送付し、研究参加者のリクルートをスタートさせた。その案内に対して、参加希望の意思を示した方々を対象に、研究説明会・調査会を実施し、約600人の研究参加同意を取得した。現在の生活習慣と子供の頃の家族構成、飲料水などピロリ菌感染に関連する様々な要因について、自記式調査票によって情報を収集した。また、収集した生体試料を用いて、ピロリ菌抗体価、ペプシノゲンなどのバイオマーカの測定を行なった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた対象者に対しての研究説明会・調査会はほぼ終了し、研究参加者のリクルートはおおむね完了した。収集した生体試料を用いてのピロリ菌抗体価、ペプシノゲンなどのバイオマーカーの測定を行い、生活習慣と子供の頃に関する調査票のデータについて、整理・クリーニングを行い、データベースを構築中である。採血できなかった参加者を対象に、今後、尿による検査を予定している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、収集した生体試料によるピロリ菌抗体価、ペプシノゲン等の測定、採血をできなかった研究参加者に対して尿による検査を実施する。飲酒・喫煙・食習慣などの生活習慣と子供の頃に関するデータについて、整理・クリーニングを行い、データベースを構築する。全てのデータを確定後、そのデータを用いて、出生年別のピロリ菌感染率、胃がん高リスク者の割合について検討する。さらには、子供の頃の家族構成・井戸水の飲用の有無・居住地、親の感染率などを用いて、若年者のピロリ菌の感染様式について検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、研究参加者のリクルートを行い、収集した生体試料を用いてピロリ菌抗体価、ペプシノゲンの検査を行なった。研究参加者の目標人数を1,000人とし、1,000人分の検査費用と郵送費を準備していたが、研究参加者の最終人数は607人となったため、約400人分の検査費用、郵送費が未使用となった。今年度は、採血できなかった参加者を対象に尿を用いてのピロリ菌抗体価の検査を行なう予定である。また、データを確定次第、学会発表、論文作成を行なう予定である。
|