出生年1936-2003年の603人を対象に出生年別ピロリ菌感染率、親子の感染、子供の感染要因について検討した。出生年別感染率では、出生年が若いほど感染率は低かった。子供と参加した母親・父親と子供の感染では、感染ありの母親44人のうち子供に感染ありの母親は13人(29.5%)だが、感染ありの父親9人の子供に感染はなかったことから、家族内では、父親よりも母親からの感染が疑われた。感染要因については、今まで感染要因とされていた幼少期の井戸水の飲用や汲取り式便所の使用が大きく減少しており、今後は感染要因とはならないこと、若い世代の母親とその子供の感染率が低下したことを示した。
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