研究課題/領域番号 |
17K09162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学・公衆衛生学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
鰐渕 英機 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90220970)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヒ素 / DMA / 経胎盤ばく露 / 経世代影響 / 発がん / エピジェネティクス |
研究成果の概要 |
妊娠期における子の発達環境が成人後の疾患リスクに影響を与えるという概念(DOHaD説)が生活習慣病領域において報告され、近年発がんにおいても提唱されている。動物実験においても、無機および有機ヒ素を妊娠期の母マウスに曝露させ得られた仔マウスにおいて、発がんリスクが増加することが報告されている。今回、有機ヒ素化合物DMAは胎盤を介して発がん標的臓器に存在し、その経胎盤曝露による発がんには、ヒストン修飾異常のようなエピジェネティックな発がん機序が関与することを明らかにした。また、妊娠期に生じた影響が成熟後にも存在することが明らかとなり、発がんリスク評価の指標として利用できる可能性を示した。
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自由記述の分野 |
実験病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠期における子の発達環境が成人後の疾患リスクに影響を与えるという概念であるDOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)説が注目されており、これまでに発達期の低栄養環境による生活習慣病等のリスクを増加させることが報告されている。近年、がんにおいても妊娠期における環境が、将来の発がんリスクに影響を与えることが報告されており、発がんリスクを減少させるため発がん機序の解明が望まれる。我々の研究により明らかとなった有機ヒ素化合物DMAの経胎盤曝露によって生じたエピジェネティック異常が、妊娠期曝露による発がんの機序解明に寄与すると期待される。
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