研究実績の概要 |
本研究では、大学病院の医師の業務内容を精査し、専門領域や経験年数による多様な医師の働き方について、臨床・教育・研究・自己研鑽・病院運営などの業務を、実施バランスの観点で評価し、経験年数や診療科等により類型化し、類型別に働き方のモデルを提示する。さらにモデルを基に、臨床業務のみでなく、医師として働くために必要な自己研鑽や教育および研究をバランスよく実施するためのセルフマネジメントの方法を提示、普及することを目的とする。 令和元(2019)年度は、平成29(2017)年度末に実施した「業務バランスアクションチェックリスト」を利用したアンケート調査結果を解析し、論文として投稿した(野原理子,小池美菜子,竹内正樹,新井田達雄:大学附属病院勤務医師の業務負荷および業務改善に関する認識.東京女子医科大学雑誌,89(4):89-96,2019)。アンケート調査の結果、医師の年齢区分によって、直接臨床業務、間接臨床業務、教育、研究、自己研鑽や病院運営の業務の負荷に関する認識が異なっていること、業務バランスを改善したいという意欲の高さなどが明確となった。そこで、その改善の方法を現場の医師らとともに検討することとした。さらに、現場で働く医師たちに、気軽にゲーム感覚で勤務環境改善に興味をもってもらえるような勤務環境改善普及ツールを作成した。まずパイロットスタディとして、医療機関の勤務環境改善に取り組む研究会にて試行し、現在改良に取り組んでいる。
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