研究課題/領域番号 |
17K09172
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
井上 彰臣 産業医科大学, IR推進センター, 准教授 (70619767)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 職の不安定性 / 仕事の資源 / メンタルヘルス / 生理指標 / 前向きコホート研究 / 産業保健 |
研究実績の概要 |
本研究は,日本人労働者を対象に,職の不安定性が労働者の心身の健康(精神的健康および冠動脈疾患の危険因子となる各種生理指標)に及ぼす影響を明らかにするとともに,これらの関連を緩衝する仕事の資源を明らかにすることを目的としている。2018年度~2019年度に,製造業(2事業場)に勤務する労働者を対象に1年間の縦断研究(WEBによる自記式調査)を実施した(ベースライン調査には224名,フォローアップ調査には169名が回答した)が,当初の補助事業期間内(2019年度まで)に各種生理指標を含むデータベースの構築と研究成果の公表を十分に行うことができなかったため,今年度は補助事業期間を延長し,研究を継続することにした。 研究成果の公表については,既存のデータを用いた解析も含め,原著論文や総説等の形で一定の公表を行うことができたが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い,発表を予定していた国際学会が延期(次年度にオンラインにて開催予定)になったことから,研究成果を十分に公表することができなかった。また,調査対象企業への出張も制限されたことから,各種生理指標のデータを取得することができず,データベースの完成には至らなかった。 上記の事情を鑑み,次年度は補助事業期間の再延長を行い,国際学会での発表も含め,引き続き,研究成果の公表を行うとともに,データベースの完成を目指していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査対象企業の選定に遅れが生じていたが,製造業(2事業場)において調査への参加同意が得られ,ベースライン調査~フォローアップ調査に関する一連の計画(調査の準備・実施,データ解析,個人・職場への結果返却)を滞りなく遂行し,一定の研究成果を公表できたことから,おおむね順調に進展していると考えられる。一方で,前述の通り,各種生理指標のデータ取得に遅れが生じたため,今後,データベースの完成に向けた作業を進めていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,調査対象企業から各種生理指標のデータを取得し,データベースを完成させるとともに,引き続き,研究成果を国内外の学会や国際英文誌で公表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
補助事業期間の延長申請を行った際は,主に研究成果報告(国内外の学会発表にかかる旅費および参加費,論文執筆にかかる英文校正費や論文掲載料)に繰越金を使用することを予定していたが,前述の通り,COVID-19の拡大に伴い,発表予定の国際学会が延期になったことから,それにかかる旅費や参加費が未使用となった。そのため,補助事業期間の再延長を行い,今年度の未使用額を次年度の研究成果報告に使用する予定である。
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