研究課題/領域番号 |
17K09179
|
研究機関 | 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター |
研究代表者 |
谷川 真理 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター, その他部局等, 研究員(移行) (50291018)
|
研究分担者 |
内山 巌雄 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター, その他部局等, 研究員(移行) (20151897)
野瀬 三佳 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター, その他部局等, 研究員(移行) (30590228)
東 賢一 近畿大学, 医学部, 准教授 (80469246)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 化学物質過敏症 / 免疫機能 / 自律神経 / におい |
研究実績の概要 |
化学物質過敏症は、その疾患概念や診断指針が明確でなく病態も未解明な部分が多い。自律神経症状やにおいに対する過剰反応など特徴とされる化学物質過敏症の病態を解明するために、本研究では、マルチビーズ法やフローサイトメトリーを用いて免疫機能を多面的に評価する。アレルギーと異なるこれまでの研究結果を踏まえ、化学物質過敏症有訴者の免疫機能についてサイトカイン産生能と制御性T細胞を測定し、健常者と比較し、化学物質等によるある種の免疫不全状態の把握とその客観的な検査方法を検討、病態の免疫学的機序を解明する。 計画では(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター(LPC)に隣接する医療法人医聖会百万遍クリニック(百C)において、本研究の代表者(谷川)と分担者(内山)が、シックハウス外来を開設しているので化学物質過敏症の患者群の協力を得て採血など医療行為を行う予定だった。が、平成29年6月末にクリニック閉院の危機あり、研究環境の変化に対応を余儀なくされた。クリニック再建のため、現在は従来と別法人のもとで本研究代表者(谷川)が院長になり体制を整え分担者(内山)シックハウス外来を再開した。今後遅れをとりもどし、免疫機能検査を実施するところである。 従来の研究成果として下記が発表された。Effects of olfactory stimulus by odor on cerebral blood flow and peripheral blood oxygen levels in multiple chemical sensitivity. Azuma K, Uchiyama I, Tanigawa M, Bamba I, Azuma M, Takano H, Yoshikawa T, Sakabe K The 32 nd International Congress on Ocupational Health, Dublin, Ireland, 2018
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター(LPC)に隣接する百万遍クリニックで研究協力者を募り、採血等の医療行為を実施する予定であったが、クリニックの存続危機およびシックハウス外来を継続できない期間があったため、体制が整わず、平成29年度は約半年の計画の遅延が起こった。 主たる研究協力機関である百万遍クリニックを開設する法人の方針転換により、7月から閉院の危機があった。昨年10月に研究代表者(谷川)が同クリニックの院長に就き再建途上で、別法人への譲渡にむけて体制移行期間が半年以上に及んだ。分担者(内山)のシックハウス外来も再開し体制は整いつつある。予定より約半年の遅れが生じているが、計器や試薬類の準備も整い、(書面による同意書を得て)患者群の協力者を募り、次に性別、年齢のマッチした健常協力者を募り、血液免疫機能検査を進めている。年度末頃から研究協力のリクルートも進みつつあり、免疫機能検査を順次実施している。 H30年中にこの遅れを取り戻す計画である。今後患者群および健常者群それぞれに、計画に基づくサイトカインのプロフィールや制御性T細胞の解析などを実施すれば、データ蓄積と解析が進み、なんらかの免疫機能異常が解明されると期待している。
|
今後の研究の推進方策 |
上記のとおり、計画の遅れを取り戻しつつ予定通り進めていく。 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター(LPC)に隣接する百万遍クリニック(百C)において、本研究の代表者(谷川)が院長としてクリニックの体制の再建に当たり、分担者(内山)が、一時中断の後シックハウス外来を再開したので、研究対象者は、このクリニックの外来患者を中心に研究に対する同意を得た方で募っている。また、比較対象とする健常者については、LPC会員やモニター会社(大阪ガス行動観察研究所を予定)を通じて症例群と年齢と性別を一致させた対照群を抽出して協力を依頼する予定である。 免疫機能検査はLPC内部で測定する体制が整っており、今後計画に沿って免疫機能の測定し、データの蓄積と解析を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成29年4月から30年4月にかけて研究協力者を募る主たる医療機関である百万遍クリニックの状態に変化があり研究を継続できない期間があったため、約半年の遅延が起こっている。 上記、百万遍クリニックの開設法人の方針転換により、7月から閉院の危機があった。昨年10月から別法人への体制変化が半年以上かけて行われ、研究代表者(谷川)が同クリニックの管理者に就き、外来の体制を再び整えた。研究協力者を募ることや採血検査などができない期間があったので、研究に伴う支出が予定より約半年の遅れが生じたのはそのためである。年度末頃から研究協力者をリクルートし、採血による免疫機能検査等を順次実施しており、H30年中にこの遅れを取り戻す計画である。今後患者群にマッチする健常協力者をリクルートし、計画に基づきサイトカインのプロフィールや制御性T細胞の解析などを実施する。進捗状況に合わせて必要な項目の支出を予定している。 データ蓄積が進み次第、その解析も実施し発表も行う。
|