研究実績の概要 |
化学物質過敏症は、その疾患概念や診断指針が明確でなく病態も未解明な部分が多い。本研究では、マルチビーズ法やフローサイトメトリーを用いて免疫機能を多面的に評価する。アレルギーと異なるこれまでの研究結果を踏まえ、化学物質過敏症有訴者の免疫機能についてサイトカイン産生能と制御性T細胞を測定し、健常者と比較し、化学物質等によるある種の免疫不全状態の把握とその客観的な検査方法を検討、病態の免疫学的機序を解明する。 計画では(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター(LPC)に隣接する医療法人医聖会百万遍クリニック(百C)において、本研究の代表者(谷川)と分担者(内山)が、シックハウス外来を開設しているので化学物質過敏症の患者群の協力を得て研究を実施する予定だったが、平成29年6月末にクリニック閉院の危機あり、対応を余儀なくされた。 平成29年10月以来、本研究代表者(谷川)が院長に就任し再度体制を整え分担者(内山)のシックハウス外来を再開し研究を進めている。平成30年に遅れをとりもどし、約25名の免疫機能検査を実施しており、データを蓄積し解析を進めているところである。 従来の研究成果として下記が発表された。Effects of olfactory stimulus by odor on cerebral blood flow and peripheral blood oxygen levels in multiple chemical sensitivity. Azuma K, Uchiyama I, Tanigawa M, Bamba I, Azuma M, Takano H, Yoshikawa T, Sakabe K The 32 nd International Congress on Ocupational Health, Dublin, Ireland, 2018他
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