Barker博士のDOHaD仮説によれば成人期の疾患の原因は幼少期にあるとする。本研究では当該仮説を環境化学物質ロテノンによるドーパミン神経系疾患について検討した。具体的には新生期ラットのロテノン曝露による多動性障害が老齢期のパーキンソン病の症状を呈するかを調べた。その結果、ロテノンの曝露時期によってその行動特性が変化することが明らかになった。生後5日での曝露により多動性障害が著しく、3~4週齢での曝露によりパーキンソン病の症状を呈することが明らかになった。 こうしたことは環境化学物質の健康リスク評価において曝露時期の要因も考慮しなければならないことを示している。
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