認知症の行動・心理症状(BPSD)の実態を把握するため、北海道内の介護施設等および自宅に居住している認知症を有する高齢者を対象とした調査を実施した。介護施設等の高齢者に対しては1年ごと計3回の追跡調査を実施し、在宅高齢者に対してはベースライン調査を行った。その結果、介護施設等高齢者では、いずれの調査時点でもBPSD有症率が約6割とほぼ一定で、症状別では「興奮」「易刺激性」が多いことが明らかになった。「食行動変化」の有症率は調査時点により変化が大きかった。また、在宅高齢者においては、BPSD有症率が約9割であり、症状別では「無関心」が最も多いことが明らかになった。
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