研究課題/領域番号 |
17K09191
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
佐々木 久長 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (70205855)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ひきこもり / 対人関係 / 自殺リスク / 男女差 / ソーシャルサポート |
研究実績の概要 |
本研究では、2019年5月に、ひきこもり経験者が運営した居場所の運営状況及び利用者の継続性と、居場所に参加しての心の変化について報告した(秋田県公衆衛生学会雑誌,2019)。同月、内閣府のひきこもり第一次実態調査の二次分析を用いて、ひきこもりに対人関係の苦悩と自殺リスクが高いことの関連性を明らかにした。また、ひきこもりの過去の精神科受診歴はひきこもりの自殺リスクに影響するが、ひきこもりの対人関係の苦悩に影響しないことを明らかにした(Front.Psychiatry,2019)。7月の世界教育学会に参加し、「ひきこもりと不登校」のシンポジウムにて講演した。また、10月に高知にて行われた日本公衆衛生学会総会で、ひきこもりの児童期に行ったネガティブイベントと対人関係の苦悩(Hikikomori and childhood negative interpersonal relationship experiences)について発表した。翌月、秋田県公衆衛生学術総会にて、「参与観察によるひきこもり社会復帰についての質的研究」を発表した。 2019年4月~2020年3月の間に、自治体と連携し、多数の研修会(秋田市生活困窮者自立支援制度、秋田県NPO法人蜘蛛の糸、秋田県いのちの電話研修会、登米市4フレンズネットワーク)を通して「ひきこもりを理解する」、「ひきこもりの有効地域支援」に関して研究結果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
おおむね順調に進展していたが、2019年4月~12月に、2名の研究協力予定者(キーインフォマント)の個人的事情のため、予定された取材を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、ひきこもりの特徴を量的研究によって明らかにしてきたが、今後は、その特徴の形成過程を質的研究により解明する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年4月~12月に2名の研究協力予定者の個人的事情により、予定された取材を行うことができなかったため、研究期間を延長した。次年度使用額は、フィールドワーク、テープ起こし、データ分析、シンポジウムの開催、論文投稿と報告書作成に使用予定である。
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