• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

産後うつ病の発症と自律神経機能の関連に関する妊娠期からの前方視的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K09201
研究機関京都大学

研究代表者

江川 美保  京都大学, 医学研究科, 助教 (50600061)

研究分担者 近藤 英治  京都大学, 医学研究科, 准教授 (10544950)
上田 敬太  京都大学, 医学研究科, 講師 (60573079)
古川 壽亮  京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード産後うつ病
研究実績の概要

産後うつ病の増加とその子どもへの影響が現在社会的に大きな問題になっており、妊娠期からの切れ目のない母親へのメンタルへルス支援が求められている。周産期医療や母子保健事業のフィールドでは、主に心理社会的リスク因子の評価や本人への自記式質問票に表れる抑うつ・不安症状の把握に基づいて専門的医療や生活支援介入の要否が判断されており、本人のリスク状態や介入の効果を判定する客観的定量的評価方法は今のところ存在しない。メンタル不調の発症の予測因子や早期発見の客観的指標を探索する目的で、京都大学医学部附属病院総合周産期母子センター(産科部門)の妊産婦を対象に心拍数パワースペクトル解析による自律神経機能データなどの生理学的指標を妊婦健診時に取得し、心理的尺度との相互の関連を検討する縦断的調査を計画した。周産期包括的データベース構築にも取り組んだうえで医の倫理委員会による審議と承認を得て研究協力者リクルート開始の準備が整ったところであったが、新型コロナウイルス感染拡大の問題が起こり2020年度は研究遂行を一旦停止せざるを得なくなった。この間に実行可能で有意義な研究方法を再検討するために、周産期メンタルヘルスアウトカムに影響を与える諸因子や本研究における交絡因子について文献的情報収集をしたところ、鉄欠乏性貧血および貧血のない鉄欠乏(non-anemic iron deficiency)の影響について精査する必要性に気づいたため、既存の血液検査データと保管生体試料を用いて「妊産婦における鉄欠乏が周産期アウトカムに与える影響についての探索研究」を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2019年度までに周産期の包括的データベースのシステム構築及びプロトコールの策定、医の倫理委員会での審議に時間を要した。いよいよ研究協力者リクルートの準備が整ったところで新型コロナウイルス感染拡大の問題が起こり、通院中および分娩目的で入院中である妊産婦・褥婦の生理学的指標を取得する研究活動を実施することができなくなった。そこで研究期間を1年延長する見通しのうえで、当科ですでに進行していた周産期合併症の予測モデルを構築するためのバイオマーカー探索研究の一環として、妊産婦の鉄欠乏状態がメンタルヘルスを含む周産期アウトカムに与える影響を検討する研究に着手することにした。その新規プロトコールは医の倫理委員会にて審議、承認され、2018年1月から2020年8月に分娩に至った症例のうち産科的合併症発症例を除いた249症例において、研究利用の可能性のために保管されていた妊婦健診時(初期・中期・末期)および産褥期(分娩後4~6日目)の残余血清307検体(初期60検体・中期129検体・末期50検体・産褥68検体)を用いて、貯蔵鉄のマーカーであるフェリチンの測定を完了した。フェリチン値と既存の血液検査データ、その他の診療録データ、心理的尺度の関連を検討するためにデータベースを作成中である。

今後の研究の推進方策

前述の鉄欠乏に関わる血液検査データと周産期診療録データおよび心理的尺度にかかわるデータベース作成の後、妊産婦・褥婦における鉄欠乏状態の実態把握をすると同時に、それが周産期アウトカムに及ぼす影響を検討する。なお、妊産婦の自律神経機能などの生理学的指標の測定ができる状況になれば、当初予定していた研究を再開する。

次年度使用額が生じた理由

データ管理にかかわるオフィスアシスタントの雇用や論文投稿費に用いる。

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi