本研究ではプライマリ・ケア医を対象としたアンケート調査を行い、地域医療における精神医療ニーズの明確化と効果的な介入手段の探索を進めた。結果、栃木県県南医療圏のプライマリ・ケア医の35%、自治医科大学卒業生のプライマリ・ケア医の57%が週一回以上精神疾患患者に関わっていた。精神医療に関与する意思のあるプライマリ・ケア医、精神医療スキルに自信があるプライマリ・ケア医が少なくとも1名以上所属している二次医療圏では、2021年度の自殺死亡率が低いことが判明した(P=0.029、P=0.003)。これらの結果からプライマリ・ケア医の精神医療への関与意思が地域の自殺死亡率と関連することが示唆された。
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