研究課題/領域番号 |
17K09213
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山岡 和枝 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 教授 (50091038)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 非感染性疾患 / リスク / 多変量ネットワーク・メタ分析 / 医療技術評価 / 糖尿病 / メタボリックシンドローム |
研究実績の概要 |
近年のNCDsの増加は著しく、2015年WHO報告によると全世界で毎年3,800万人の死亡がもたらされ、その半数近くが70歳以下であると報告されている。WHOの目標であった2030年までに70歳以下の死亡を40%軽減するという目標は、その達成が困難であることがすでに指摘されており、その軽減のための効果的施策がLANCET誌にみられるように、世界的に検討されている。このためには壮年期と高齢期の2つのライフステージでの血糖や脂質代謝等のコントロールが重要となっている。申請者らはこれまで、NCDsの重要なリスクである糖尿病やMetSに着目し、血糖や脂質代謝等のコントロールによる予防や病態改善のためのライフスタイル改善プログラムを開発し、その効果の評価を、無作為化比較試験(RCT)やメタアナリシスにより検証し、そのエビデンスを高めてきた。 本年は特に糖尿病に着目し、糖尿病発症率と負荷後2時間値をoutcomesとして多変量ネットワーク・メタアナリシスを実施したが、結果にやや整合性が取れない面があり、これを解明することは次年度以降の課題とした。そして比較的例数の多かった糖尿病発症率に対する複数の要因を用いたNMAの試みとして、投薬や治療、運動、食事、ライフスタイル改善の効果の評価を、RCT研究を対象とした文献レビュー、ネットワーク・メタアナリシスを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文数は少なかったが、学会での発表も含めて予定した内容についてほぼ達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では糖尿病などの代謝性疾患での多様なoutcome指標と投薬・治療・教育などの多様性という特徴を考慮して、ネットワーク・メタアナリシスの手法を検討し、多変量ネットワーク・メタアナリシスについて方法論的な観点からも検討し、シミュレーション研究も含めた上で比較可能性を高めることを目指す。またNCDsとしてメタボリックシンドロームなども含めてRCT研究対象とした文献レビューも継続する。さらにライフステージ別Inconsistencyを考慮した多変量ネットワーク・メタアナリシスの方法論の検討を継続して行う。また、国際学会(国際臨床統計学会)発表準備を行い、一部について論文化を目指す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費及び旅費は、大学からの研究費で賄えたため差異が生じた。 次年度では有効的に使用する予定である。
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