研究課題
令和3年度は都市部住民コホート「神戸研究」の対象者について、以下の検討を行った。「神戸研究」の追跡調査に参加した65歳以上の526名(男性177名、女性349名)を対象に、プレフレイルとフレイルの関連因子について検討した。簡易フレイルインデックス(J Am Med Dir Assoc. 2015)を用いて、対象者を頑健(0点)、プレフレイル(1~2点)、フレイル(3~5点)の3群に分類し、頑健群を対照群として、プレフレイル、フレイル群のオッズ比を要因別に検討した。その結果、プレフレイル、フレイル群のオッズ比は、男女ともにBMIや腹囲、中性脂肪が高値であるほど高く、運動量が多いほど低かったことから、肥満やストレス、身体活動量とpre-frail、frailとの関連が示唆された。「神戸研究」のベースライン調査で非特異的なストレス指標のK6質問票日本語版(K6)の項目に欠損がない1115名(男性339名、女性776名。40~70歳)のうち、約8年後の追跡調査で簡易フレイルインデックスを測定した863名(男性254名、女性609名)を対象に、K6スコアとフレイル発症リスクとの関連について検討した。ベースライン調査から約8年後にフレイルを認めたものは863名中57名(6.6%)、プレフレイルは504名(58.4%)であった。K6カテゴリーが5点未満のLow群を対照とした5~12点のModerate群のフレイル発症リスクのオッズ比(95%信頼区間)は2.96 (1.54-5.68)、13点以上のSevere群では5.40 (1.04-28.08)であった。一方でK6とプレフレイルリスクとの間には有意な関連は認められなかった。以上のことから、都市部一般住民におけるフレイルリスクは、心理的ストレスが軽・中等度であってもフレイルリスクが高まることが示唆された。
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Journal of epidemiology
巻: 31 ページ: 125
10.2188/jea.JE20190140