研究課題/領域番号 |
17K09225
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
滝沢 牧子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70613090)
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研究分担者 |
塚本 憲史 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (10292583)
小磯 博美 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00516403)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者評価 / 抗がん剤治療 |
研究実績の概要 |
我が国における65歳以上の高齢者の比率は急激に増加しており,2015年には総人口の26.7%に達した。それに伴い,高齢がん患者数は増加しているが,臓器傷害や並存症を有する頻度が高く,合併症が生じ易いことから通常の臨床試験などの対象とはなっておらず,高齢がん患者の標準治療は確立していない。高齢者に安全で質の高い医療を提供するためには,単純に年齢で区別するのではなく高齢者の健康状態を多面的に捉え,治療を選択する必要がある。 近年,治療の意思決定に寄与するために,高齢者包括評価(comprehensive geriatric assessment:以下CGA)を用いてこれらの患者を層別化し,治療選択を行うことが提唱されている。一方, CGAは非常に時間がかかることが挙げられ,治療に対する耐容能を評価する簡便で客観的な方法が求められており,本研究ではそのような新評価法の開発を目的とする。 医療の質の評価においては通常の消費行動とは異なる点が多く,多面的に捉える必要があり,その評価法は確立していない。しかし,医療の質においても患者を顧客とした場合には,その満足度は重要な事項であることは疑いがない。特に高齢者医療においては,多様なニーズ(期待・要求)を満たすには単に生存の有無のみでなく,治療後の健康状態がその満足度に与える影響は大きいと考えられる。このような観点から、本研究では治療前の期待度,治療後の患者満足度・納得度調査を合わせて行い,治療後の健康状態との関連を解析する。 具体的にはCGAと筋肉量をはじめとする客観的指標と治療に対する期待度を治療前に評価し、治療後、合併症の出現、重症度、治療中止割合、ADL低下の有無との関連を明らかにし、簡便で客観的な指標の開発を目指す。また、これら指標と治療の満足度・納得度との関連を解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は、院内の臨床研究の倫理審査を申請し、審査を受けて、研究を開始する体制を整えた。また、高齢リンパ腫患者のコホート作成し、研究開始のための準備を行った。患者さん登録のための資料作成、周知を行った。年度後半より登録を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は症例の組み入れを積極的にスタッフに働きかけ、症例数を増やしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体に研究の進捗が遅延しており、患者さんの登録開始が遅れたため、研究用のソフトウェア購入に至らなかった。 今年度購入予定である。
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