研究課題/領域番号 |
17K09234
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
耒海 美穂 (荒木美穂) 京都大学, 医学研究科, 研究員 (20761563)
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研究分担者 |
福間 真悟 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60706703)
山本 洋介 京都大学, 医学研究科, 教授 (30583190)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 急性腎障害 / 健診受診 / レセプトデータ |
研究実績の概要 |
交付申請時には、電子診療情報を自動抽出する診療情報プラットフォーム((p-Retrevier)を改変し多施設のデータを匿名化・突合して中央に集約するシステムを構築し術後AKIの予測モデルを作成することを目的としていた。しかし、各施設に複数年度のレセプトデータを読み込み抽出するシステムの構築を円滑に行うことが困難であった。京都大学医学部付属病院でのデータ抽出は可能となったが、その他の施設においては複数年度のレセプトデータの読込・匿名データの抽出を十分に行うことはできていない。そのため、アクセス可能なデータベース(国保データ(土木健保)加入者)を用いて、十分明らかにされていない一般住民におけるAKIの発生割合およびリスク因子とAKIの発生との関連について検討を行うこととした。リスク因子として、腎機能、糖尿病・脂質異常症の有無、年齢、性別、BMI、喫煙歴、既往歴(脳卒中、虚血性心疾患の有無など)、薬剤の使用(降圧剤、利尿剤など)などが挙げられる。これらの因子とAKI発生との関連を検討するとともに、予測モデルを作成し、健診受診者における将来のAKIの発生リスクの算出を行い、将来的には受診者に結果をフィードバックする仕組みを構築する。さらに、一般住民におけるAKIの発症には直前のイベントが契機になっている可能性が高く、発症者における脱水(熱中症・急性胃腸炎など)、造影剤の使用などのイベント発生の有無を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
交付申請時に実施予定であった、電子診療情報を自動抽出する診療情報プラットフォーム((p-Retrevier)の複数施設への導入につき、既存のp-Retrevierを用いて大量データの読込・抽出を円滑に行うことが困難であったことから改変して導入することを検討し、京都大学付属病院では稼働できる状態となったが、その他の施設に関してはCOVID-19の発生なども影響し研究期間内に稼働させることが困難で、アウトカム発生数などからも単施設で当初の目的を達成することは不可であると判断した。
そのため、アクセス可能なレセプト(国保データ)を用いて十分に解明されていない一般住民における急性腎障害の実態とリスク要因との関連について検討を行うという方針に変更する必要性が生じた。これに伴い、先行研究の調査および研究プロトコールの変更などを行った。
また、先行研究の調査にあたり、AKIを含む腎臓疾患を対象としたシステマティックレビュー研究には観察研究が多く、研究結果が正しく評価されていない可能性があると考え、調査を行い論文化を行った。
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今後の研究の推進方策 |
現在、目的の変更に伴い、アクセス可能なデータベースから抽出可能な診療情報のうち、必要な検査データ、病名・薬剤コードなどの整理を行っている。また、京都大学の研究室内にサーバーを設置し情報を管理する環境の整備を行っている。今後、診療情報の抽出・クリーニングを行い、研究期間内に、データ解析と結果の解釈、さらには論文化をすすめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
抽出したデータを管理するための環境整備にかかる費用 データの解析、論文化のために係る費用
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