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2017 年度 実施状況報告書

自己血採血後遅発性副作用のリスク解析と予防のための看護方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K09245
研究機関岩手医科大学

研究代表者

鈴木 啓二朗  岩手医科大学, 医学部, 准教授 (30364342)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード自己血輸血 / 自己血採血 / 遅発性副作用
研究実績の概要

貯血式自己血輸血での自己血採血からしばらく経過した後に、頭痛・頭重感、ふらつき、倦怠感、眩暈などで発生する遅発性副作用の詳細は明らかになっておらず、その看護方法も確立していない。遅発性副作用の発生率と危険因子を明らかにするために、本年度は単施設における遅発性副作用の後ろ向きに疫学調査を行い、および地域の病院で自己血採血に携わる看護師の実態調査を開始した。
1. 自己血採血後の遅発性副作用に関する後ろ向き疫学調査研究
自己血採血が行われた患者での遅発性副作用の発生頻度とその症状、および危険因子を後ろ向きに調査した。初回の自己血採血後1週間における遅発性副作用の発生頻度は33.7%で、採血当日に最も多くみられた。遅発性副作用を発生した患者の多くは、頭痛・頭重感、ふらつき、倦怠感、眩暈を訴えたが、ほとんどの症状は軽度で採血後4日目までに軽快した。遅発性副作用発生患者群と非発生患者群の患者背景や採血前バイタルサインなどをロジスティック回帰分析により解析したところ、その危険因子は、女性、低推定循環血液量、および採血前の軽度な頻拍であった。
2. 地域の医療施設で自己血採血にたずさわる看護師の実態調査
本研究では地域の医療施設での自己血採血後遅発性副作用の前向きな調査を予定している。自己血採血には多くの医療機関で看護師が関わり、その中心的な役割を担っている。その調査を行うにあたり、岩手県内の医療施設で自己血採血にたずさわる看護師とその看護方法の実態に関するアンケート調査研究を計画した。アンケートでは、医療施設の基本的情報に加え、看護師業務(採血・観察・患者指導等)、研修制度、採血後副作用(迷走神経反応や遅発性副作用など)の経験、看護方法(看護手順、患者指導資料等の有無)、および看護上の不安等を調査する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

地域の医療施設での自己血採血に関するアンケート調査と看護師を対象とした遅発性副作用に関するワークショップを当該年度内に予定していたが、研究協力機関と対象とする医療施設との調整に時間を要したため実施が次年度へずれ込んでしまった。次年度はじめにアンケート調査票を対象の医療施設(19病院)に発送した。

今後の研究の推進方策

アンケート調査の解析を行い、自己血採血にたずさわる看護師を対象とした遅発性副作用に関するワークショップを開催する。その後に地域の医療施設および対象者の同意に基づき前向き調査を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

29年度に予定していたアンケート調査と看護師を対象としたワークショップの開催が次年度にずれ込んでしまったため。30年度にそれらを実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 自己血採血後の遅発性副作用の発生率と危険因子2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木 啓二朗、小田原 聖、高舘 潤子、佐々木 さき子、後藤 健治、木村 美代子、村松 協子、諏訪部 章
    • 雑誌名

      日本輸血細胞治療学会誌

      巻: 63 ページ: 691~699

    • DOI

      https://doi.org/10.3925/jjtc.63.691

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2018-12-17  

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