研究課題/領域番号 |
17K09249
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
井野 恭子 椙山女学園大学, 看護学部, 准教授 (30399240)
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研究分担者 |
鈴木 浩美 西武文理大学, 看護学部, 講師 (00554700)
佐藤 晶子 椙山女学園大学, 看護学部, 助教 (20593510) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 外国人介護労働者 / 施設管理者 / 認識 / 現状調査 / 支援内容 |
研究実績の概要 |
本年度はこれまでの研究実績を踏まえ、研究対象を外国人介護労働者を雇用する施設管理者にし、外国人介護労働者の受入れ実績や、受入れにあたって配慮している項目等についての管理者の認識を調査し支援内容を検討した。調査対象地域は関東3県、および東海3県を対象に実施した。 その結果、受入れ制度の活用では、「技能実習制度」、「EPA介護士」、在留資格「介護」、「特定技能1号」の順に多く受入れていた。しかし関東3県と東海3県では活用している制度に差があることが明らかになった。さらに、今後の外国人介護労働者の受入れに不確実性を持つ施設においては、入国後5年間の有期雇用である「技能実習制度」「特定技能1号」での受入れが促進される方向性が示唆された。外国人介護労働者の受入れ実績が、その後の受入れを促進する要因につながっていることが判明したため、施設管理者が安心して受入れができるよう、公的な相談支援機関が拡充される必要がある。 7割の施設管理者は、相談担当者の配置、国際厚生事業団(JICWRLS)等の相談窓口の紹介などの支援体制を構築していたが、3割の施設管理者は特に対応していない状況であった。施設管理者が希望する支援内容は、受入れ成功事例に関する情報提供が7割を占めていた。さらに自由記述からは【導入支援】【手続き支援】【定着支援】【留学生の活用】【失敗事例を知りたい】があった。 外国人介護労働者の受入れ成功体験や外国人介護労働者本人との交流など、受入れを成功させるための具体的な情報共有の場を持ち、施設管理者の受入れ意識を高めることが求められていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍での対面調査ができなかったことにより、研究スケジュールが遅延していた。そのため、今年度は研究方法の修正を行い、郵送による現状調査を行うこと、およびその結果の公表に尽力した。その準備に時間を要してしまったため、やや遅れている状況となった。 さらに、その調査からの知見を活用して、施設管理者らが求めている医療人材の活用に向けた支援策を展開したいと準備をしているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの研究から得られた知見を活かして、外国人医療人材を受入れる施設の方々に向けて、研修を企画し実践する。そのことにより、外国人医療人材を受入れる看護や介護分野の医療人材の受入れに対する実践的な対応方略を取り纏めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は外国人医療人材を雇用している方々への支援の実際を行うことができなかったために、次年度使用金額が発生している。 次年度は、外国人医療人材を雇用している施設の方々へ向けて、日本で実際に就労が定着している成功事例の当時者や、施設管理者の方々の協力を得てセミナーを開催する。そのための周知に係る費用、講師への謝金や打ち合わせ費用、および報告書の作成、会場費等に使用する予定である。
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