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2021 年度 実施状況報告書

自動血球計数装置スキャッタグラムを用いた免疫応答パターンダイナミクスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K09253
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

片岡 浩巳  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80398049)

研究分担者 通山 薫  川崎医科大学, 医学部, 教授 (80227561)
三上 史哲  川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (80550392)
松村 敬久  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (10274391) [辞退]
久原 太助  高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80457407)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード自動血球計数装置 / データウエアハウス / スキャッターグラム
研究実績の概要

本研究は、フローサイト法を用いたCBC検査から得られるスキャッタグラムパターンを用いた診断や予後予測を目的とした知識データベースの作成と、生成した知識データベースをマクロ的な視点で可視化した、免疫応答のパターンダイナミクスの全容の解明を目的としている。
本年度は、昨年問題となった薬歴データベースの不備を解消し整備が完了した。これを元に、研究者らが発案した、投薬クールイベントを抽出するアルゴリズム(特許:第6058340号2016年、治療イベントの効果を比較表示する方法)を用いて投薬開始・終了イベントを自動的に抽出し、その結果のデータベースを構築した。このイベント情報に加え、入院日や感染症等の罹患日に対するイベントを基軸とした検査値変動の可視化を行った。
関連イベントに対する全検査との組み合わせで随時計算を実施する中で、特徴的な事例を報告すると、MRSA感染症に対する抗菌薬の事例では、研究課題:26460865(2014-2017) 「CBC検査の白血球粒度分布パターンを用いた感染制御支援システムの構築」と同様なパターンが得られ、異なる施設、装置の違いがあっても同じ傾向が検出された。好中球領域の若い細胞の変化をモニタリングすることの重要性が一般論として確認できた。Covid19の重症化患者のパターンの事例では、罹患後数日間、HGB、HCT、MO-X、MO-WY、MO-WZは低下傾向。MCV、PCTは上昇傾向の特徴が得られた。
一方、CBC検査の粒度データは2016年から現在もデータ収集中であり、Covid19の蔓延時期と重なる貴重なデータであることから、研究期間をさらに延長して、研究を進める計画である。特に、予防接種群と罹患者群との差異や、集団免疫獲得をCBCの粒度パターンのダイナミクスから観察する手法を準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CBCの計測生データの各計測チャンネルにおける取集状況は、2016年9月以降現在まで、WPC:1万9千人、PLT-F:2万7千人、RET:2万7千人、WDF:7万7千人、WNR:8万4千人となり、粒度情報を複数の視点から32×32の2次元マトリクスに展開し、次元削減をした状態のデータの総計は、50億レコードもの巨大なデータベースとなった。一方、昨年度は、この期間中の薬歴のデータ収集に問題が生じていたが、データ取得上の問題が解消され、全てのデータが整い、匿名化データベースの構築ができた。これらを元に、投薬クールイベントを抽出するアルゴリズムを適用した。この他、来院、罹患イベントを加え、各イベントを集約したテーブルを準備した。
これらのイベントデータと検査歴データのパターンの変化を可視化することが可能となった。

今後の研究の推進方策

これまでの研究では、データベースの構築と、イベントを基準とした集団の検査値のパターンを解明する方法を採用したが、個体別の時系列的な差分変化量のダイナミクスに注目した解析に拡張する予定である。また、本研究で収集したデータは、Covid19の蔓延時期と重なる貴重なデータであることから、研究期間をさらに延長して、研究を進める計画である。特に、予防接種群と罹患者群との差異や、集団免疫獲得をCBCの粒度パターンのダイナミクスから観察する手法を準備中である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、プログラム開発に重点を置いた研究活動であった点と、新型コロナウィルスの蔓延に伴う、研究打ち合わせや学会出張の自粛が生じたため、予定した費用を繰り越すこととなった。
次年度は、さらなるデータ拡充を目的としてデータ輸送・バックアップのための記録媒体購入、ならびに、学会での成果発表と論文投稿のための費用に使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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