研究課題/領域番号 |
17K09253
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
片岡 浩巳 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80398049)
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研究分担者 |
通山 薫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80227561)
三上 史哲 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (80550392)
松村 敬久 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (10274391) [辞退]
久原 太助 高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80457407)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自動血球計数装置 / MRSA感染症 / COVID-19 / 集団免疫 |
研究実績の概要 |
本研究は、フローサイト法を用いたCBC検査から得られるスキャッタグラムパターンを用いた診断や予後予測を目的とした免疫応答のパターンダイナミクスの全容の解明を目的としている。 最終年度は、様々な感染症をテーマにパターンの解析を実施したが、その中の細菌とウィルス関連の2つを報告する。MRSA感染症治療に対する免疫応答ダイナミクスと、COVID-19による感染拡大とワクチンとの関係、そして、集団免疫の獲得の状況の把握について報告する。 MRSA感染症の免疫応答ダイナミクスについては、治療成功群において、NE-SFL、MPV、P-LCR、MO-Xが有意な変化が見られた。治療薬剤の選択が正しかった場合の検査値の特徴としては、NE-SFLが高値になる傾向を示し、好中球のRNA量が増える傾向があった。しかし、IG領域まで達するレベルの幼若細胞は検出できず、臨床的に実用化するためには、専用のゲートの設定あるいは粒度パターンの時系列差分の計算ができるデータベース環境を実装する必要があることが示唆された。また、MO-Xすなわち単球のサイズが大きくなる傾向も特徴的であった。 COVID-19の集団免疫の免疫応答ダイナミクスの研究では、集団の感染数やワクチンの接種数、そして、ワクチンの効果が持続する期間に同期してダイナミックにパターンが変化している点を見出した。具体的には、単球の側方散乱光MO-X、好中球の側方蛍光NE-SFL、リンパ球の側方散乱光LY-SSCは、各イベントに対して集団として大きく変動が発生しており、特にLY-SSCの集団の動きが徐々に低下してくるタイミングで集団免疫の低下が示唆され、パンデミックが発生するパターンがあることがわかった。
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