医療において治療関係における信頼とは、治療者、受療者双方ともに治療を施す側、受ける側としてリスクを負うことから、リスクを認識し相手を信じようとすることが信頼であると考えられた。また、信頼を軸とした関係とは、ある部分リスクを負う関係であり、リスクを負うことに前向きな姿勢を示すことで協働関係も向上し、相手を信頼することが明らかにされていることから、信頼を醸成させるには、リスクを引き受けることを認識する、そのうえで肯定的な姿勢で協働することにより醸成することが示唆された。一方で信頼を構成する規定因について、信頼の多様性、安心との相違、対象論などの煩雑性から明確な要素を確定するには至らなかった。
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